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国からの委託事業であった 「国際安全衛生センター(JICOSH)」 別ウィンドウが開きます が2008年3月末をもって廃止されました。 永らくのご利用ありがとうございました。 同センターのサイトに掲載されていた個別の情報については、中災防WEBサイトの国別分野別情報にリンクして取り込んでおります。

 

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各国情報・国際関係

海外の安全衛生統計−シンガポール(2008)

2010年7月13日

シンガポールの安全衛生統計については、 シンガポール人材開発省( Ministry of Manpower 別ウィンドウが開きます )のウェブサイトに掲載の安全衛生に関する年次報告書( Occupational Safety and Health Division (OSHD)Annual Report 2008 別ウィンドウが開きます )の7.情報と統計( PDF 7. Information & Statistics 別ウィンドウが開きます )の項に掲載されているので、その一部を紹介する。

安全関係

2008年の労働者10万人当りの労働災害による死亡者数(死亡10万人率)は、2.8で前年の2.9から減少し、引続き減少傾向にある。2018年までに死亡10万人率を1.8まで引き下げるという国家目標に順調に向っている。

死亡災害件数では、2007年の59件に対し2008年は60件でほぼ同じであるが、一度に複数が死亡する事故が発生していることから、死亡者数では、63人から67人に増加した(表1及び2)。雇用増加により労働者数が増加したことにより、死亡10万人率は減少した。

2008年の死傷災害は、2007年より10.5%増加し、11‚072件であった。最も多い一時労働不能災害は、いくつかの産業において労働活動が活発化したことから、2007年の9,792件から10,873件に増加した(表2)。

永久(全部、一部)労働不能災害は、それらの多くは上肢の切断災害であるが、2007年の163件から132件と減少した(表2)。

度数率(100万労働時間当りの労働災害件数)は、1.9で、2006年以来変化がなかった(表3)。強度率(100万労働時間当りの労働損失日数)は、2004年から減少傾向を示している(表3)。強度率は、2007年の116人日に対して、112人日と減少した。しかしながら、強度率は低下したが、総損失日数では前年の617,000人日から643,000人日と増加した。

職業性疾病に関しては、2008年には新たに855件が確認されたが、これは前年に比べて42%増加した(表2)。職業性疾病の大幅な増加のために、10万人当りの発生件数も36.2と前年の27.7に比べて増加した(表3)。

表1 死亡10万人率の推移(2004−2008)
表1 死亡10万人率の推移(2004−2008)
  2004 2005 2006 2007 2008
死亡者数 83 71 62 63 67
死亡10万人率 4.9 4.0 3.1 2.9 2.8
表2 業務関連死傷災害及び職業性疾病(2007、2008)
表2 業務関連死傷災害及び職業性疾病(2007、2008
  2008 2007
死傷災害計 11,072 10,018
  死亡災害 67 63
  永久(全部、一部)労働不能 132 163
  一時労働不能(休業4日以上) 10,873 9,792
職業性疾病 855 602
表3 労働災害職業性疾病指標
  2008 2007
死傷災害発生率 469 460
  死亡災害 2.8 2.9
  永久(一部、全部)労働不能 5.6 7.5
  一時労働不能 460 450
度数率 1.9 1.9
強度率 112 116
職業性疾病発生率 36.2 27.7
表4 度数率・強度率の推移
表4 度数率・強度率の推移
  2004 2005 2006 2007 2008
度数率 2.1 2.1 1.9 1.9 1.9
強度率 164 145 125 116 112

 

 

労働衛生関係

職業性疾病

2008年には855件の職業性疾病が確認された、これは前年のほぼ1.5倍に相当する。全疾病件数は、労働者10万人当り36.2であり、前年の27.7より増加した。これは、主として騒音性難聴の増加によるものであり、2007年に開始した騒音性難聴対策が図られ、報告件数が増加したものである。

医師及び事業者による届出が労働安全衛生(事故等報告)規則により義務付けられている。31の疾病が要届出疾病とされている。シンガポール人材開発省労働安全衛生局は、国家医療グループ等をパートナーとし、この届出を促進している。届出のあった事案については、業務関連性を調査するとともに他の労働者も影響を受けているかどうかについて確認している。そして適切な健康管理対策について関係業種、企業及び労働者に勧告をしている。

2008年の職業性疾病は、労働者10万人当り36.2で前年の27.7より増加した。最も多いのが製造業で3分の2(66%)となっている(表5)。このうち、ほぼ5分の4(78%)が金属加工及び輸送用機器で発生している。労働者数を考慮すると輸送機器においては、最高の発生率となっている(10万人当り908件)。これは全産業の発生率の25倍に相当する。

表5 業種別職業性疾病発生状況(2008、2007)
表5 業種別職業性疾病発生状況(2008、2007)
業 種 2008 2007
全産業 855 602
建設業 56 45
海運業 75 33
製造業 565 359
  金属加工 244 179
  輸送用機器 198 63
  石油製品 29 5
  食品、員良品、煙草 21 7
  ゴム及びプラスチック製品 19 26
  電気電子機器 18 28
  製紙及び印刷 15 11
上下水道、廃棄物管理 7 16
運輸及び輸送 64 79
ホテル、レストラン 10 6
医療 7 8
その他 71 56
表6 疾病の種類別発生状況(2008,2007)
表6 疾病の種類別発生状況(2008,2007)
疾病の種類 2008 2007
合計 855 602
騒音性難聴 743 490
  初期段階 741 485
  進行段階 1 5
皮膚疾患 66 59
化学物質の吸入過剰 11 3
化学物質による中毒 8 -
高気圧による疾患 7 2
気圧障害 5 17
肺がん 5 3
筋骨格系障害 5 25
中皮腫 4 -
その他 1 3

労働者の健康状態

労働者の健康診断の結果、異常所見率(労働者1,000人当りの異常所見数)は、3.6で、前年の5.4から減少している。また、異常所見の多くは、金属加工、船舶造修業における騒音によるものである。

表7 健康診断結果の労働者1,000人当りの異常所見率の推移(1999〜2008)
1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008
17.0 6.9 6.0 4.4 5.7 2.9 6.5 7.3 5.4 3.6

 

 

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