お問合せ

中央労働災害防止協会(中災防)
技術支援部
国際課
TEL 03-3452-6297
FAX 03-5445-1774
E-mail: kokusai@jisha.or.jp

 

お知らせ

国からの委託事業であった 「国際安全衛生センター(JICOSH)」 別ウィンドウが開きます が2008年3月末をもって廃止されました。 永らくのご利用ありがとうございました。 同センターのサイトに掲載されていた個別の情報については、中災防WEBサイトの国別分野別情報にリンクして取り込んでおります。

 

Get ADOBE READER
PDF形式のファイルをご覧になるには、Adobe Systems Incorporated(アドビシステムズ社)のAdobe® Reader™が必要です。

 

各国情報・国際関係

イギリスMental Health Foundation作成の「キレる」問題と対処に関する報告書

2008年6月30日

EU OSHA News from Board 16.04.2008 別ウィンドウが開きます

キレを生じる人が増加していることを警告する報告書がMental Health Foundationから発行された。

社会状況の変化により、人々の感情的な問題が増大していることが立証された。

この報告書は、Mental Health Foundationのhpからダウンロードできるが、 サイト 別ウィンドウが開きます に掲載されている概要を紹介する。 Mental Health Foundationとは、1949年に設立された、主として寄付金により運用されている、 この問題に関しては、最大の民間団体であるとされている。

Mental Health Foundationのhpに掲載されている概要

イギリスの「キレる問題」は職場を含めたイギリス全土で未解決のまま取り残されている。 Mental Health Foundationより新しく発表された報告書 「Boiling Point Problem anger and what we can do about it」 ではキレる人々の増加の警告をしている。

キレるという問題に何ができるか

2008年のメンタルヘルス週間に、Mental Health Foundationはキレについての報告書作成に着手し、キレが個人や、 その家族、また地域社会にどのような影響を及ぼすか、およびその被害を如何に最小限に抑えることができるのかをまとめた。

報告書作成の背景

キレは身体的、精神的から、社会的問題へと幅広く悪影響を及ぼすということが、調査より明確になった。 慢性的なキレや、激しいキレは冠状動脈性心臓病、脳梗塞、がんや、一般的な風邪、 あるいは健康の低下に影響すると同時に、危険行為、優柔不断な行動、薬物の誤った服用の誘因ともなる。 キレの強さは、社会的支援の低さや、高レベルのストレスと関連している。 強いキレの表現はまた、積極的な問題解決がなされていないことを示す。 キレはまた、うつ病や自傷行為などを含む精神衛生的問題と結びついており、 他のどの感情よりも対人関係にマイナスの影響を与えると考えられているようである。

社会状況の変化により、人々の感情的な問題が増大していることが立証された。 本報告書作成のために行った調査によると、国民の大多数は、概して人がキレやすくなっていると感じている。 この調査でも引用した、社会的影響力のある作家は、21世紀の西欧社会の生活について分析し、 人はキレやすくなっており、イギリスでは人々が、50年の経済成長に伴って幸せになってはいないとしている。

しかしながら、私たちが目の当たりにしている変化が、我々の基本感情の中心構造になることはないだろう。 進化とは緩やかな過程であり、急速な変化とは社会的習慣や経済的、政治的環境の中に起こり、 我々の思考、感情、姿勢に影響するのである。

  • 一般開業医の報告によると、キレの問題を抱えてくる患者を救う方法は限られている。
  • NHS(国家保健機関)が資金提供のキレ対応コースや、民間業者、 ボランティア団体により運営されている所にも良い対応策の例がある。
  • NHSの施設が存在しない地域においては、一般開業医がボランティア団体や、 その他の施設を紹介することが可能だが、適切な結果が得られるとは限らない。 大人を対象に行ったキレの診療に関する調査研究書は約50冊ほど出版されており、 子供や青年期の若者を対象にしたものは約40冊存在する。 調査員達はこれら全ての対象においてキレに対処する効果的な方法があると言及している。
  • アンケート調査回答者の約3分の1(32%)が、家族や親しい友人にキレを制御するのに問題を抱える者があると回答した。 
  • 10分の1(12%)以上の者が自身でその問題を抱えていると回答した。
  • 4分の1(28%)以上の者が自身のキレの強さに不安を感じることがあると回答した。
  • 5分の1(20%)が自身のキレが原因で友人関係が壊れてしまった経験があると回答した。
  • 64%の者が一般的に人がキレやすくなっていると強く感じる、もしくは感じると回答した。
  • キレの問題を抱える7分の1(13%)以下の者が、助言を求めたと回答している。
  • 58%の者が、もしキレの問題に自身が直面した場合何処に助言を求めてよいか分からないと回答した。
  • 84%の者が、もしキレの問題を抱える者がいたら、助けを求めるよう促すべきだと回答した。
  • 助言を求めた者のうち、身の周りの友人、家族あるいは雇用主やボランティア組織よりも、カウンセラー、 セラピスト、一般開業医や看護師など保健の専門家を訪ねた者が大半だった。
  • 世代間の違いは特筆すべきである。 親族や、親しい友人あるいは自身がキレの問題を抱えると回答した年配者は若い層に比べて格段に少なかった。
  • 地域間の回答の違いも印象的である。 特にスコットランドと、イギリスの他の地域に大きな違いが見受けられた。

 

全ての働く人々に安全・健康を 〜Safe Work , Safe Life〜

中央労働災害防止協会
〒108-0014 東京都港区芝5-35-2 安全衛生総合会館

  • 厚生労働省
  • 安全衛生マネジメントシステム審査センター
  • 安全衛生情報センター