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各国情報・国際関係

欧州の一般市民生活における「外傷による死亡と負傷」の発生状況

2008年11月20日

EuroSafe Press release, 別ウィンドウが開きます2008年4月3日

欧州における一般市民生活で生じた「外傷による死亡と負傷」に関する2003-2005年の統計が、 欧州傷害防止安全推進協会(EuroSafe)から公表された。

EuroSafeのこの報告書を紹介したページには、下記の資料などが掲載されているので、その概要を紹介する。

欧州の一般市民生活における「外傷による死亡と負傷」の発生状況の概要

欧州における「外傷による死亡と負傷」の問題は、極めて深刻である。「外傷による死亡」と「外傷による負傷」に分けて述べる。

外傷による死亡

  • EU27カ国では、2分毎に1人、年間25万人が外傷により死亡している。
  • 1歳から44歳においては、外傷が死亡原因の首位を占めている。
  • 全年齢層においては、心疾患、がん、呼吸器系の疾患に続いて、外傷が4番目の死亡原因となっている。
  • 欧州では、65歳以上の高齢者の年間10万人が思いがけない外傷によって、早すぎる死を迎えている。
  • 「外傷による死亡」の原因には、自殺、交通事故や転落に因るものが最も多い。
  • 「外傷による死亡」の発生率は、各国間で大きな差があり、リトアニアにおいては「外傷による死亡」の率が最も高く、 最も低いオランダの5倍である。欧州全域の発生率をオランダの水準にまで低下させることができれば、 「外傷による死亡」の数は11万5千人(46%)に減少することになる。

(表1参照)

表1 各国がオランダの水準に到達したとき現在の死亡件数から減少する死亡件数及び死亡の減少率

表1 各国がオランダの水準に到達したとき現在の死亡件数から減少する死亡件数及び死亡の減少率
現在の死亡件数 減少する死亡件数 死亡の減少率(%)
オーストリア 4,300 2,000 47%
ベルギー 6,600 3,700 56%
ブルガリア 4,000 1,800 45%
キプロス データ無し
チェコ 6,900 4,100 59%
ドイツ 33,200 10,400 31%
デンマーク 3,300 1,800 55%
エストニア 1,800 1,400 78%
スペイン 16,900 5,000 30%
フィンランド 4,300 2,800 65%
フランス 41,000 23,700 58%
ギリシャ 4,100 1,100 27%
ハンガリー 8,800 6,000 68%
アイルランド 1,400 300 21%
イタリア 26,500 10,400 39%
リトアニア 5,300 4,300 81%
ルクセンブルグ 230 110 48%
ラトビア 3,300 2,600 79%
マルタ 130 20 15%
オランダ 5,300 計算の基準とした国
ポーランド 25,000 14,500 58%
ポルトガル 5,300 2,400 45%
ルーマニア 13,500 7,500 56%
スウェーデン 4,800 2,300 48%
スロヴェニア 1,500 950 63%
スロヴァキア 3,100 1,600 52%
イギリス 20,500 3,900 19%
EU27合計 251,000 114,800 46%

図1 EU27における「外傷による死亡と負傷の数

どこで外傷が多く発生しているか

外傷の規模が憂慮すべき問題であると同時に、どんなところで多く発生しているかを検討することは一層重要である。 「外傷による死亡と負傷」は家庭、学校、余暇、スポーツにおける時間に最も発生しやすい。 安全で楽しいはずの場が、死への落とし穴になってしまうのである。 この報告においては、このような傷害を「家庭と余暇における外傷」と称する。

  • 「家庭と余暇における外傷」は全ての外傷の80%を占める。
  • 「家庭と余暇における外傷」による死亡者は、殺人、暴行、その他の暴力的行為による死亡者の18倍である。
  • 「家庭と余暇における外傷」による死亡件数は、交通事故によるものの2倍、業務関連によるものの10倍以上に達する。
  • 救急措置による治療を受けた「家庭と余暇における外傷」数は、同様の治療を受けた交通事故による外傷の17倍である。
  • 「家庭と余暇における外傷」による入院件数は、交通事故による外傷の入院件数の6倍である。
  • 「家庭と余暇における外傷」の約半数が浴室、階段、台所で生じている。 家庭のこれらの場所で長い時間を過ごす子供や高齢者がその犠牲者になっている。
  • 2003年-2005年の外傷による年間総入院日数は5千万日であったが、その75%は「家庭と余暇における外傷」によるものであった。
  • 「家庭と余暇における外傷」は高齢化や、余暇に対する関心の高まり、 スポーツ活動の普及に伴って今後においてさらに増加するであろう。

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