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各国情報・国際関係

EU OSHA化学物質に関するリスク監視活動報告書及びファクトシート

2009年7月24日

EU OSHA News 2009年3月25日 別ウィンドウが開きます

欧州安全衛生機構(EU OSHA)の欧州リスク監視活動部門(ERO–European risk observatory unit)は、 新しく出現するか、増大するリスクを監視する活動を行っているが、化学物質に関するリスクについての報告書(EN8)と、 この要点をまとめたファクトシート(EN84)を刊行したので、その概要を紹介する。

原資料の題名と所在

EU OSHA:EUROPEAN RISK OBSERVATORY REPORT EN8
Expert forecast on emerging chemical risks related to occupational safety and health 別ウィンドウが開きます

EU OSHA:Fact sheet 84 –
Expert forecast on emerging chemical risks related to occupational safety and health 別ウィンドウが開きます

 

欧州安全衛生機構リスク監視活動報告書No.8
労働安全衛生に関する化学物質によるリスク増大についての専門家の予測報告書

欧州における職場の業務上の死亡のうち、74,000件は危険物質に起因するものと推定され、 その発生率は、他の職場における発生率の10倍に達する。 欧州の労働者の15%は、就業時間の4分の1以上、化学製品の取り扱いを行っており、 19%が粉じん、ヒュームおよび煙を作業場所で吸入している。

欧州21ヶ国49名の専門家達に対して、デルファイ法による3回の質問と回答による調査を行なった結果、 今後増大することが予測されるリスクとして以下が挙げられた。

 

粒子状物質

  • ナノ粒子
    同一材料を用いたものでも、性状には差異がある。 その種類ごとの物理化学的性質、毒性、挙動などの性状の把握、 環境中濃度測定の方法、作業場所におけるばく露の防止方法などを確立する必要がある。
  • ディーゼルエンジン排気
    作業場所に存在する発がん性物質の中で、存在の範囲が4番目に広い。 肺がんと肺がん以外の障害の発生が知られているが、健康障害の内容について、なお多くの研究が必要である。
  • 人造鉱物繊維(MMMF)
    多くの種類の特殊な性状のものが存在するが、その挙動、毒性などが明らかでないものがあり、 これらを明らかにする必要がある。

アレルギー性及び感作性物質

エポキシ樹脂の取り扱いにおけるイソシアネートに対するばく露と皮膚接触の増加が予測されている。

発がん性及び変異原性物質

アスベスト、結晶質シリカ、木粉、有機溶剤、内分泌かく乱物質、残留性有機汚染物質、芳香族アミン、殺虫剤、アゾ染料、 複数の発がん性物質に対する複合ばく露が、今後増大することが予測されるリスクとして指摘されている。 欧州では、32百万人以上がこれらの物質に危険なレベルのばく露を受けている。 がんによる死亡のうち、95,500人が業務に起因するもので、EUにおける業務上の死亡の大きな原因のひとつとなっている。

職種に固有のリスク

廃棄物処理及び建設業におけるリスクの増大が強調されている。 廃棄物処理作業者の疾病発生率は、他の業種より50%高い。 電器製品及び自動車の廃棄処理においては、鉛、カドミウム、水銀、PCBに対するばく露を受ける。

複合ばく露のリスク

混合した危険物質に対するばく露の他、中小企業及び多層下請け作業(外注)における不適切な管理によるリスク、 社会心理的リスクとの複合作用なども指摘されている。

図:専門家によりリスクが大きいとされた上位10項目の評価平均値及び標準偏差
グラフ
図内用語の訳
Mean values on the 1-to-5 point Likert scale and standard deviations: Likert 法による1-5点評価平均値及び標準偏差
Nanoparticles and ultrafine particles :ナノ粒子及び微細粒子
Poor control of chemical risks in SMEs :中小企業における不適切な管理
Outsourcing:外注
Epoxy resins:エポキシ樹脂
Dangerous substances in waste treatment:廃棄物処理業
Dermal exposure:皮膚接触
Diesel exhaust:ディーゼルエンジン排気
Isocyanate:イソシアネート
Man-made mineral fibres:人造鉱物繊維
Dangerous substances in the construction sector:建設業

 

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