お問合せ

中央労働災害防止協会(中災防)
技術支援部
国際課
TEL 03-3452-6297
FAX 03-5445-1774
E-mail: kokusai@jisha.or.jp

 

お知らせ

国からの委託事業であった 「国際安全衛生センター(JICOSH)」 別ウィンドウが開きます が2008年3月末をもって廃止されました。 永らくのご利用ありがとうございました。 同センターのサイトに掲載されていた個別の情報については、中災防WEBサイトの国別分野別情報にリンクして取り込んでおります。

 

Get ADOBE READER
PDF形式のファイルをご覧になるには、Adobe Systems Incorporated(アドビシステムズ社)のAdobe® Reader™が必要です。

 

各国情報・国際関係

WHOによる世界の交通安全に関する報告

2009年11月13日

WHO VIP News Alerts 10 2009年7月22日

世界保健機関(WHO)は、世界178カ国における交通事故の発生および防止対策の状況をはじめて統一的に調査した報告を刊行した。

WHOのサイトの「道路交通による傷害」(Road traffic injuries)のページの記載によると、世界全体では、 交通事故による死亡者数は130万、負傷者数は2,000〜5,000万に達し、交通事故による損失は、各国においてGNPの1〜3%に相当する。 所得が少ない開発途上国では、交通事故が多く、 これらの国々の車両の数が世界全体の48%であるのに対し、死亡者の数は90%に達するとある。

WHOのサイトの「道路交通による傷害 別ウィンドウが開きます 」

このサイトに掲載の報告書の概要及び関連する情報を以下に紹介する。関連する刊行物は、いずれも無償でダウンロードできる。

世界の交通安全に関する報告(Global status report on road safety)の概要

世界保健機関(WHO)の調査により、交通事故による死者のほぼ半数は、 自動車に乗っていない人たち(歩行者、自転車、オートバイに乗った人)であることが判明した。

交通安全に関する最初の世界規模での調査で、年間127万人と推計されている交通事故による死亡者の半数が歩行者、 自転車、オートバイに乗った人であることが分った。 自動車の搭乗者の保護対策は進んできているが、道路使用者の弱者グループの保護については遅れている。

7月15日(月)、WHO事務総長のマーガレット チャン氏及びニューヨーク市長のマイケル ブルームバーグ氏により発表された、 世界の交通安全に関する報告において、各国が速度制限、飲酒運転禁止、シートベルトの使用及び幼児防護装置の普及、 自転車・オートバイのヘルメット着用などの効果的な交通安全対策をどのように講じているか分析している。

ブルームバーグ慈善事業の資金援助によるこの報告 (世界的規模の交通安全概況、各国の個別状況、各国の主要な交通安全に係る統計資料から成る。)は、 178カ国、世界の人口の98%をカバーしている。報告は、また、各国の比較が可能になるよう標準化された方式を採用している。

報告からの主要なメッセージ

  • 交通事故による死亡者の約半数は、道路使用における弱者のグループである。
  • 総合的な交通安全関係法令が整備され、よく規制が行われている国は、少ない。
  • 交通事故の死傷者の信頼できるデータを有している国は、少ない。

 

新たな報告のデータから次のことが分る。

  • 市街地域の速度制限を設けている国は、3分の1以下である。
  • 血中アルコール濃度0.05 g/100 ml以上を飲酒運転として規制している国は半数以下である。
  • 90%以上の国が一定の基準に合ったヘルメット着用を義務付けているが、運転者と同乗者の双方に義務付けているのは40%である。
  • 自動車の搭乗者にシートベルトの使用を義務付けているのは57%である。この数値は、低所得国では38%になる。
  • 幼児防護装置(チャイルドシート、子供補助シート)の使用を法令により義務付けているのは、約半数の国である。
  • 上記5つのリスク要因を法令によりカバーしている国は15%に過ぎない。
  • これらのリスク要因を法令によりカバーしている国でも、低所得国では実際の規制は適切に行われていない。
  • 交通死亡事故の90%は、低所得国と中所得国で発生している。一方、これらの国は世界の48%の自動車を所有しているに過ぎない。

この報告は発表以来、世界の主要なメディアの注目をひいており、新聞、ラジオ、テレビに取上げられている。

世界の高所得国では、ここ数十年間に交通死亡者数は増加せず、または減少しているが、 世界の多くの国では増加しており、 このままの状態で推移すれば2030年までには年間の交通事故による死者数は、240万人に達するものと推定している。 さらに、交通事故による負傷者数は年間2,000万から5,000万人と推計されており、 人類の傷害事故の重要は原因となっている。 多くの国において交通事故の犠牲者への支援は、十分でない。 これらの避け得る負傷は、多くの国の医療サービスにおいて過重な負担となっている。

世界の交通安全に関する報告は、各国における交通安全の推進の評価を支援するとともに、 交通災害防止の投資をより促進することを目指しているものである。 さらに、この報告が、来るべき世界最初の交通安全担当大臣会議の検討に重要な貢献をすることを期待している。

関連リンク

世界の交通安全に関する報告には、統一フォーマットによる各国ごとの状況及び統計などが掲載されている。 例えば、国別の10万人当たりの死亡者数の例では、イギリス5.4、ドイツ6.0、フランス7.5、アメリカ13.9、 韓国15.1、中国16.5、ロシア31.6、日本は5.0である。

本報告書に関連する情報

  • 資料

全ての働く人々に安全・健康を 〜Safe Work , Safe Life〜

中央労働災害防止協会
〒108-0014 東京都港区芝5-35-2 安全衛生総合会館

  • 厚生労働省
  • 安全衛生マネジメントシステム審査センター
  • 安全衛生情報センター