お問合せ

中央労働災害防止協会(中災防)
技術支援部
国際課
TEL 03-3452-6297
FAX 03-5445-1774
E-mail: kokusai@jisha.or.jp

 

お知らせ

国からの委託事業であった 「国際安全衛生センター(JICOSH)」 別ウィンドウが開きます が2008年3月末をもって廃止されました。 永らくのご利用ありがとうございました。 同センターのサイトに掲載されていた個別の情報については、中災防WEBサイトの国別分野別情報にリンクして取り込んでおります。

 

Get ADOBE READER
PDF形式のファイルをご覧になるには、Adobe Systems Incorporated(アドビシステムズ社)のAdobe® Reader™が必要です。

 

各国情報・国際関係

「アメリカの安全衛生におけるNIOSHの役割」の刊行

2010年8月11日

NIOSH Publication No. 2010-122 2010年1月

アメリカの労働安全衛生法が制定40周年を迎えるにあたり、国立労働安全衛生研究所(NIOSH)が安全衛生において果たしている役割をまとめた資料を刊行したので、主な項目と内容の一部のみを紹介する。

原資料の題名と所在
NIOSH Publication No. 2010-122:

1.NIOSHの概要

使命と責務、OSHAとの関係、組織、所在地、年間予算約3億ドルなど

2.アメリカの労働安全衛生の概況

民間産業で1億4‚500万人が労働に従事、毎日業務上の傷害により15名が死亡、9‚000名が負傷している。また、毎日135名の労働者(退職者を含む。)が職業性疾病により命を奪われている。業務上の傷害及び疾病による年間の経済的損失が1.7兆ドル(2007)、医療費及び休業補償の事業者の負担額が876億ドル(2006)などの重要な統計値が4ページにわたり簡潔にまとめられている。

  • 65歳以上の労働者が、負傷又は疾病に罹患したときの平均休業日数は、16日間であるのに対し、16-24歳においては、4日間である。
  • アメリカの労働者全体の23%を占めるブルーカラー労働者の平均収入は、一時間当たり15ドルで、その55%が業務上の傷害を受けた経験がある。これに対して、ホワイトカラー労働者は、平均収入は約2倍だが、傷害を受けた経験のある者は2%に過ぎない。
  • 業務上の傷害または疾病に罹患した労働者は年間400万人だが、そのうちの50%以上が休業または、職務または仕事の変更が必要となった。
  • 男性が労働者全体に占める比率は54%だが、業務上の死亡者における比率は92%である。

3.国家安全衛生研究計画(NORA)における8産業分野の要約

下記8産業分野における「分野別国家安全衛生研究計画」(NORA- National Occupational Research Agenda 別ウィンドウが開きます )の概要を各産業分野ごとに2ページに要約

農林水産業分野

従業者数210万、10万人当たりの死亡率は、各産業分野の中で最大で、27.9に達する。最大のリスクは、トラクターの横転である。

建設業分野

従業者数1‚100万、各産業分野の中で、業務上の傷害(死亡以外)は2番目、死亡傷害は4番目に位置する。建設労働者数の全労働者に占める比率は8%だが、死亡者数の占める比率は21%である。

医療介護業分野

従業者数1‚800万、一見清潔で安全な職場のように見えるが、長時間労働、交代制勤務、身体負荷の大きい作業、暴力、感染性疾病、有害化学物質など多くのリスクが存在する。

製造業分野

従業者数1‚600万、国内・国外で厳しい競争に直面している。安全及び衛生において極めて多様な問題が存在する。聴力障害、ナノテクノロジー、化学プロセス、マネジメントシステムなどが取り組むべき優先課題である。

鉱業分野

従業者数30万、業務上の傷害による死亡の率は、全分野平均の6倍に達する。災害による損失日数及び永久障害の発生する率が高いのに加え、長期ばく露による呼吸器系疾病及び聴力障害の発生も多い。

サービス業分野

従業者数6‚900万、公共安全(警察等)他の政府業務、自動車修理、ホテル・レストラン、教育、レクリエイション、廃棄物収集などが該当する。多様な業務が存在するので、多種類の有害物質、高温など劣悪な物理的要因、過剰負荷、暴力を含む脅迫、感電、交通災害、滑り・躓き・転倒など多種類の危険有害要因が存在する。今後、労働者数の増大が見込まれる分野である。

輸送・倉庫・用役(電気・ガス・水道等)業分野

従業者数770万、この分野の死亡災害は、全体の16%を占め、このうち71%が交通災害によるものである。航空輸送、配達、トラック輸送、倉庫業における過剰負荷による休業災害の発生率は、全産業平均の2〜8倍に達する。

卸・小売業分野

従業者数2‚050万、今後の10年間において、12%の増加が見込まれている。業務上の原因によって、555名が死亡し、82万2千件の業務上の傷害及び疾病が発生し、このうち54%が休業または配置換えを要するものであり、これらによる負荷は各分野の中で最大となっている。

卸・小売業において、70%が小企業で雇用されまた、契約及びパートタイマーの労働者が増加している等の労働条件に変化が見られる。

4.横断的研究分野24の概況(表題のみを示す。)

  • 権威ある勧告の作成
  • がん、生殖及び心血管疾病
  • 情報伝達及び普及
  • 経済学
  • 緊急時対応
  • 工学的対策
  • ばく露評価
  • 国際協力
  • 健康有害性評価
  • 聴力損失
  • 免疫及び皮膚疾患
  • 筋骨格系障害
  • ナノテクノロジー
  • 産業保健格差
  • 個人用保護具
  • 放射線量評価
  • 呼吸器疾病
  • 設計段階における災害防止
  • 小規模企業援助の拡大
  • 検診
  • 教育訓練プログラム補助金交付
  • 心理的外傷
  • 仕事と生活
  • 作業組織とストレス関連障害

5.特異な分野への取り組み

農業における児童の労働、職場暴力、災害対策従事者、エネルギー産業労働者、消防士、事故処理など

関連情報

アメリカ国立労働安全衛生研究所(National Institute for Occupational Safety and Health-NIOSH)国家安全衛生研究計画(NORA-National Occupational Research Agenda 別ウィンドウが開きます )のホームページ

分野別国家安全衛生研究計画(NORA- National Occupational Research Agenda)

アメリカ国立労働安全衛生研究所(National Institute for Occupational Safety and Health-NIOSH)2009年業績集( PDF NIOSH BIBLIOGRAPHY OF COMMUNICATION AND RESEARCH PRODUCTS 2009‚ A Listing of NIOSH Publications for Calendar Year 2009 別ウィンドウが開きます )

全ての働く人々に安全・健康を 〜Safe Work , Safe Life〜

中央労働災害防止協会
〒108-0014 東京都港区芝5-35-2 安全衛生総合会館

  • 厚生労働省
  • 安全衛生マネジメントシステム審査センター
  • 安全衛生情報センター