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各国情報・国際関係

アメリカOSHA、事業主による傷害及び疾病防止計画規則の制定に着手

2010年9月30日

OSHA News Release 2010年5月4日 別ウィンドウが開きます

アメリカ労働安全衛生局(OSHA)は、労働者の安全衛生を確保するための計画を事業主が策定、実施、評価、改善することを求める規則の制定に着手し、本年7-8月に関係者の意見を求める会合を各地において、5回にわたり開催した。
2010年5月4日の連邦官報(Federal Register 別ウィンドウが開きます )に掲載された本規則の制定に関連する背景及び関係者会合における検討内容の概要を紹介する。

2010年5月4日連邦官報(Federal Register)の概要
OSHA Proposed Rules
Injury and Illness Prevention Program 別ウィンドウが開きます [5/4/2010]
PDF

1
背景
2
OSHAの安全衛生プログラムに関する歴史
3
OSHAの規則とするための従来の試み
4
安全衛生マネジメントシステム合意(民間)規格(Consensus Standards)
5
関係者会合における検討内容

1 背 景

過去30年間において、傷害及び疾病防止のためのシステム的取り組みについては、下記のようにさまざまな名称が用いられてきた。

OSHAの自主的保護プログラム(Voluntary Protection Programs -VPP):自主的安全衛生マネジメントプログラムガイドライン(Voluntary Safety and Health Management Program guidelines)

合意(民間)規格及び国際規格:安全衛生マネジメントシステム(Safety and Health Management Systems)

各州の計画:傷害及び疾病防止計画(Injury and Illness Prevention Programs)及び傷害防止計画(Accident Prevention Programs)が用いられている。今回OSHAが用いるのは、傷害及び疾病防止計画(Injury and Illness Prevention Programs)である。

このような取り組みに共通する目的は、名称とは関わりなく、事業者が傷害及び疾病防止のために、システム的手順により安全と健康に対する危険有害要因を先取り的に取り組む支援をすることにある。

2 OSHAの安全衛生プログラムに関する歴史

OSHAは、事業者が安全衛生計画を策定することを推進する活動を以前から進めており、その例として、安全衛生達成認証プログラム(Safety and Health Achievement Recognition Program-SHARP)及び自主的保護プログラム(Voluntary Protection Program-VPP)が挙げられる。1989年にOSHAは、経営層の公約と従業員参加、作業場所調査、危険有害要因の防止と抑制及び安全衛生教育訓練の4つの要素を柱とした安全衛生マネジメントプログラムガイドライン(Voluntary Safety and Health Management Program guidelines)を発布した。

3 OSHAの規則とするための従来の試み

安全衛生プログラムを規則とすることについての関係者会合が、1995年にはじめて開催され、多数の諸関係者との間で協議が行われ、規則案が作成された。経営層のリーダーシップと従業員参加、危険有害要因の特定と評価、情報提供と教育訓練及びプログラム効果の評価を柱とし、プログラムの諸関係者である労働者、産業界、安全衛生団体、州政府、組合、保険会社及び小企業との間で検討が行われた。この規則案は公表されるには到らなかったが、このようなプログラムが有効であると考えるのは、OSHAだけではないことが明らかとされた。

4 安全衛生マネジメントシステム合意(民間)規格(Consensus Standards)

自主的安全衛生マネジメントシステムを対象とした合意(民間)規格が近年発展し、アメリカ産業衛生協会(American Industrial Hygiene Association)は、2005年にANSI/AIHA Z10--2005 労働安全衛生マネジメントシステム(Occupational Safety and Health Management Systems)を公表した。これは、PDCAサイクルにより、危険有害要因を継続的に、根本から体系的に取り除こうとするものである。一方、国際的な政府機関、産業、コンサルタント団体などから成るOHSASのプロジェクトグループが、認証を必要とする事業者のための労働安全衛生マネジメントシステム規格(OHSAS 18001-2007 Occupational Health and Safety Management Systems)を作成し、イギリス規格協会(British Standards Institute)が、発行した。

5 関係者会合における検討内容

関係者会合における議論は、下記を中心として行うことを予定している

  • 規則とするための取り組み
  • 範囲と適用
    −対象とする産業分野
    −対象とする事業者(規模、災害の発生率)
    −対象とする危険有害要因
    −既存の規制との関係
  • 規則の構成
    −規制条文
    −強制及び自主的付加規定
    −適用するその他の基準
  • 合意(民間)規格の位置づけ
  • 経済的影響
  • その他

なお、OSHAは、以下の質問に対する答えも求めている。

  • ANSI Z10 規格、OHSAS 18001 規格及び1989 年のOSHAガイドラインの長所と短所
  • OSHAの従来の経験によると、本規則においては以下の要素が含まれており、これらの要素は適切か、どの要素が重要か、他に必要な要素はないか。
    1
    経営層の義務(方針及び目標の設定、リソースの計画と提供、役割及び責任の決定と周知を含む)
    2
    従業員参加 (プログラムの設定、維持及び評価、安全衛生情報の入手及び災害原因調査における役割を含む)
    3
    危険有害要因の特定と評価 (どのような要因を対象とするか、情報収集、作業場所の監督、災害原因調査、作業変更によって生ずる危険有害要因、緊急時の危険有害要因、危険有害要因の評価と優先順位付け及び危険有害要因特定ツールを含む)
    4
    危険有害要因の防止と抑制(抑制の必要な危険有害要因、抑制の優先順位付け及び抑制手段の有効性を含む)
    5
    教育訓練(訓練内容、他に必要な安全衛生教育訓練との関係及び定期的訓練を含む)
    6
    プログラムの評価と改善(成果のモニタリング、プログラムの欠陥の修正及び成果の改善を含む)
  • 小企業の事業主がこの規則を有効に実施し、保持するためには、OSHAは何をしたらよいか。
  • この規則は、すべての事業所に適用すべきか、企業規模、災害の発生率または危険有害性指数などによって限定すべきか。
  • この規則を作成するにおいて、既存の合意(民間)規格にどの程度拠るのがよいか。
  • 州において障害及び疾病防止から得られた経験をどのように利用したらよいか。
  • 職場の安全衛生に従業員が参加するための有効な手段として、どのようなものがあるか。
  • 本規則の名称として適当なものはどれか。

関連情報

JISHA海外トピックス

  • 2009年4月17日 OSHAがVPP制度の改正を連邦公報に公示
  • 2008年12月10日OSHAの自主的保護プログラム認定事業場数が2千に到達
  • 2008年9月1日 アメリカOSHAの安全衛生マネジメントシステムに関するファクトシート

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