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2010年10月29日
アメリカの建設工事用クレーン及びデリックの改正規則に関し、下記を紹介する。
アメリカ労働安全衛生局(US-OSHA)は、建設工事用クレーン及びデリックの使用に係る新たな規則を発表した。この規則は、1971年に制定された旧規則に置き換わるもので、建設業、クレーンレンタル業等の267,000の事業所及びこれらの事業所に雇用される480万人の労働者に影響するものである。
ヒルダ ソリス労働長官は、改正規則の公表に際して次のように述べている。
「建設工事におけるクレーン等の使用に伴う多くの死亡災害は、労働省にこの規則制定を行わしめたものである」
「何年にもわたる専門家との広範囲な検討、協議及び議論の末、永年の懸案であったこの新たな規則は、感電、ブームの損壊、クレーン等の転倒を含むクレーン等による死亡事故の主要な原因に対処することとなる」
また、デビッド マイケルズ労働安全衛生局長官は、次のように述べている。
「新たな規則は、クレーン運転者証書(Certification)、クレーン検査及び組立て解体に関する決定的に重要な規定を定めている。この規則を順守することは、労働者の負傷、死亡を防止するのみならず一般公衆と財産所有者を保護するものである」
この新規則は、2003年に最初に諮問委員会が設置されて以来、検討を重ねてきたものである。
この新規則は、2010年11月8日に適用される。
規則全文の所在
http://www.osha.gov/doc/cranesreg.pdf
同テキストファイルの所在
http://www.osha.gov/cranes-derricks/index.html
本規則の概要に関するファクトシート(Cranes and Derricks in Construction Final Rule)
http://www.osha.gov/as/opa/cranesderricks-factsheet.html
2010年11月8日からです。
大部分の要求事項は、連邦広報に登載された日(2010年8月9日)から90日後に施行されますが、一部の規定については、施行後1年から4年後に施行されます。
下記のサイトで入手することができます。
この規則は、建設現場に設置されるクレーン及びデリックに関連する主要な危険源を総合的に取り扱います。すなわち、労働者に対する死傷原因となる4つの主な事項:感電、機械設備による挟まれ・巻き込まれ、機械設備・つり荷による激突され、墜落転落です。この新たな規則の注目すべき規定は、タワークレーンの設置前における各部の検査、組立て解体中に使用する合成繊維つり具について製造者の仕様に基づく使用、地盤条件の評価、クレーン運転者の資格及び認証、送配電線の近傍における作業などです。この規則の施行によって、毎年22件の死亡災害と175件の負傷災害を予防できると予想しています。
OSHAは、予備的な規則概要説明書及びよくある質問集を公表し、今後、概要説明書、その他の資料を近く公表することとしています。
そのとおりです。この規則は、大部分の種類のクレーンの運転者に対して、連邦規則(CFR)1926、第1427節による資格要件または認証要件をも定めています。事業者は、運転者に対する特別の要求事項を決めている州又は市内で運転する場合を除き、4年以内に事業者は運転者がこれらの要求事項を満たすようにしなければなりません。
容認しています。ただし、この規則の第1427節に規定される最低基準を満たす必要があります。
いいえ、リガーは認証を受ける必要はありません。ただし、リガーは特定のつり上げ関連作業については、有資格者でなければなりません。すなわち、組立て・解体、墜落危険箇所でのつり荷取扱い作業などです。リガーは、専門職として認められており、必要な知識があり、又はその作業について問題解決の能力があれば、有資格と考えられます。
いいえ、合図者については、認証要件を定めてはいません。ただし、合図者は有資格でなければなりません。この資格は、第三者又は合図者の事業者による有資格の評価者によって行われたものでなければなりません。評価者は、候補者がこの規則に規定する資格要件に適合するかどうか的確に評価しなければなりません。
州の安全衛生計画は、該当する連邦規則と同等以上である安全衛生規則を有する必要があります。州の計画は、連邦規則が規定していない危険をカバーする、より厳格な規則を制定することができます。
OSHAの建設安全衛生審議会は、クレーン・デリック関連規則の改正案を検討する作業委員会を設置して、その検討結果をOSHAに答申するとともに、OSHAに規則検討委員会を設置するよう勧告しました。規則制定委員会で必要な検討を行い、合意された案をOSHAに提案し、OSHAは、これに基づき規則案を作成しました。この案についての公聴会を経て、最終案を制定したものです。
23名からなる規則検討委員会では、広範囲な各種の意見が表明されました。これらの意見は、クレーン・デリック製造者、供給者、所有者、クレーン・デリックを使用する主な会社または建設会社、総合建設業者、クレーン・デリックの使用に関係する労働組合、電気機器関連会社、保険会社、政府関連機関などです。
この新規則は、74の節から構成されており、我が国では法制化されていないクレーンの組立て解体作業指揮者、クレーンのメンテナンス・補修作業者の資格が新たに制定されている。以下に新規則の各節のタイトルを掲載する。