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各国情報・国際関係

欧州委員会による「携帯用端末の普及と健康影響に関する報告書」

2011年1月25日

EU-OSHA Recent News 2010年8月19日 別ウィンドウが開きます

本報告書は、欧州委員会(European Commission 別ウィンドウが開きます )の雇用・社会問題・機会均等総局(Employment‚ Social Affairs and Equal Opportunities DG 別ウィンドウが開きます )の作成によるもので、多くの種類の携帯用端末が職場において、使用されるようになってきたため、使用される端末の種類および使われ方について、現状と今後の見通しおよび健康への影響について調査し、悪影響を防止する手段について検討したものである。
124ページにわたる膨大な報告書だが、その概要を紹介する。

原資料の題名と所在
The increasing use of portable computing and communication devices and its impact on the health of EU workers. 別ウィンドウが開きます

携帯用端末の普及と健康影響に関する報告書
欧州委員会(European Commission 別ウィンドウが開きます )
雇用・社会問題・機会均等総局(Employment‚ Social Affairs and Equal Opportunities DG 別ウィンドウが開きます )

 

1
内容の概要
2
主な目次

1 内容の概要

携帯用端末(例えば、PDA-携帯(情報)端末、ラップトップコンピューター、スマートフォン、電子メモ帳)は、さまざまな職種の労働者に幅広く使用され、使用される数は次第に増加しつつある。

携帯用端末及びシステムを使用する作業は、欧州VDU(Visual Display Unit)作業指令が適用される作業とは明らかに異なっている。このようなシステムをいまだに高級な玩具としか見ていない人も多い一方で、セールスマン、技術サポート労働者、配達員、レストラン、保全スタッフなどによる使用が増加している。

本報告書は、携帯用機器の使用により生ずるOSHの問題に挑戦するための政策及び実務に関する勧告を行うことを目的とするものである。調査を行った情報源には、販売データ、製造者及びプロバイダーからの情報、科学的研究、市場調査報告、各国の政府機関からの情報、専門家の見解などがある。

さまざまな種類の携帯用端末システムの使用される業務、どのような範囲で使用されているか、労働者の種類、使用することにより生ずる特定のリスクなどを調査し、使用されている技術及び状況の概観を行っている。
また、作業組織(work organization)において生ずるリスクについて調査すると共に、携帯用機器が認知的負荷と相性の良い使用者優先の設計である必要性を強調している。

ストレス源としては、業務と私生活との境界がぼやけること、労働時間が長くなること、携帯用機器を用いる従業員の監督が難しくなり企業の方針に対する関与が低下すること、キャリア形成が難しくなること等があげられ、OSHマネジメントの新しい課題となり、他の企業経営マネジメントと協調した、一層統合的な取り組みが必要となる。

携帯用端末に係る規制については、既存のVDU作業に関する理事会指令(90/270/EEC)に適合しない部分があるため、これを補う手引きまたは基準を作成する必要がある。

2 主な目次

要約
序説

I 調査の方法

 

II 技術的内容と使用方法の概要

要約
序説

  1. 定義
  2. 調査の方法
    2.1
    携帯用端末システムの概要
    2.1.1
    種類
    2.1.2
    機能、性能及び人間工学的観点から見た特徴
    2.2
    携帯用システムを用いた業務の概要
    2.2.1
    携帯用システムを用いた業務の種類
    2.2.2
    携帯用機器を使用する労働者の作業環境
    2.3
    携帯用機器を使用する労働者の人口に関する調査
    2.3.1
    使用範囲とその増大
    2.3.2
    関係する労働者の種類と数
    2.3.3
    典型的な活動と職務
    2.3.4
    携帯用機器を使用する作業の種類及び考えられるOSH(労働安全衛生)上のリスクとOSHマネジメントにおける問題
    2.3.5
    携帯用システムは、勤務時間と個人の時間との境界にどのように影響するか
    2.3.6
    携帯用システムの使用に関する技術の進歩と未来
    2.4
    技術の発展とナノテクノロジー
    2.5
    将来における業務内容像
    2.6
    携帯用システムに関する予見することが可能な将来
    2.7
    考察及び結論
III 労働安全衛生(OSH)上のリスクの評価
  1. 社会心理的なリスク要素
    要約
    序説
    社会心理的なリスク要素の低減とリソース
    1.1
    特殊な社会心理的リソース及びリスク要素の低減についての調査
    1.1.1
    作業組織
    1.1.2
    業務の内容
    1.1.3
    業務の社会との関係
    1.1.4
    業務及び社会の状況
    1.1.5
    個人による影響
    1.2
    社会心理的ストレスによって生ずる疾病及び災害のリスク
    1.3
    携帯用端末システムを使用する業務における将来の発展に関する社会心理的な対処
    1.4
    人口統計的影響
    1.5
    専門家の見解
    1.6
    結論
  2. 人間工学的なリスク要素
    要約
    序説
    2.1
    生体力学的作業負荷による影響
    2.2
    視覚インターフェースの設計による影響
    2.3
    過剰な騒音及び振動による影響
    2.4
    認知的負荷及び多重業務による影響
    2.5
    加齢による影響
    2.6
    考察及び結論
IV OSHマネジメントによる対処
  1. 在来型OSHマネジメントの適用による対処の困難性
  2. 携帯用機器を使用する労働者であることによる労働協約からの除外
  3. 実務的OSHマネジメントによる効果及び勧告
  4. 結論
V 規制と施行の実行

要約

  1. 規制と施行における課題と可能な方策
    1.1
    OSH 枠組み指令 89/391/EEC
    1.2
    適用の可能性のある EUの規制の枠組み
    1.3
    VDU作業指令 90/270/EEC
  2. 規制と施行における選択肢
VI 考察

 

VII 結論

文献リスト、略語その他

関連情報

EU-OSHAは、新しい社会情勢によって発生または、増大するリスクに関する調査を行い、数多くの報告書を刊行してきた。
JISHA海外トピックス2010年5月21日 「安全衛生上のリスクに関する展望」を欧州安全衛生機構が刊行
においては、これらを全般的とりまとめた下記の報告書を紹介している。
PDF New and emerging risks in occupational safety and health 別ウィンドウが開きます

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