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各国情報・国際関係

イギリス安全衛生庁:アスベスト業務についての訓練

2011年6月2日

HSE news 2011年3月23日 別ウィンドウが開きます

イギリス安全衛生庁(HSE 別ウィンドウが開きます )は、通常作業においてアスベストを飛散させる可能性のある労働者等に対し実施することが必要な訓練である、意識訓練(Awareness training)、HSEの許可を必要としないアスベスト業務についての訓練、HSEの許可を必要とするアスベスト業務についての訓練について紹介し、再訓練の必要性および事業者としての責任について言及している。

1.
内容の概要
2.
どんな訓練が必要か?
3.
再訓練
4.
事業者としての責任は何か?

1.内容の概要

イギリスでは、すべてのアスベスト含有製品の使用が1999年に禁止された。このことは、2000年以前に建設され、または改装されたビルはアスベストを含有している可能性がある。通常作業においてアスベストを飛散させる可能性のある労働者は、訓練を要求され、すべての事業者は、作業中アスベストに曝される可能性のある労働者に対し、適切な情報、指導及び訓練を提供することを保証しなければならない。

2.どんな訓練が必要か?

通常作業においてアスベストを飛散させる可能性のある労働者は、アスベスト含有製品について認識でき、それに対処できるための訓練を実施されるべきであり、訓練は個々の労働者が請け負う仕事と役割に適切である必要がある。

アスベスト業務についての訓練には下記の3種類がある。

意識訓練

この訓練は、通常作業においてアスベストを飛散させる可能性のある労働者または、その作業内容により影響を与える労働者(一般的な保守管理、電気工、配管工、建具工および解体労働者等)を対象としている。
労働者には、どのようにしてリスクを避け、防護するかについての意識訓練が必要である。アスベストの意識訓練には、次のような項目を含むべきである。

  • アスベストの性質及びアスベスト労働者による喫煙の肺がん発症リスクの増加を含めた健康影響
  • ビルと工場の中のアスベスト及びアスベスト製品の種類、用途、存在の可能性
  • 緊急時、即ち、作業場所へのアスベスト粉じんの非制御による漏れに対処するための一般的な手順
  • アスベストばく露を避ける方法

HSEの許可を必要としないアスベスト業務についての訓練

この訓練は、許可を必要としないアスベスト作業の予定があり、製品中に含有する低リスクアスベストを飛散させる可能性のある労働者を対象としている。この訓練は、アスベストの意識訓練に追加して提供され、その業務に適したもの(job specific)となるべきである。通常、アスベストの意識訓練において、この訓練をリストに含めることを必要とする労働者は、以下の業務を行う労働者である。

  • アスベスト製品への穿孔(サンプリング及び分析目的を含む)
  • 損傷されていないアスベスト製品を含む領域でのケーブルの敷設
  • アスベスト含有床タイルの除去
  • アスベストセメントシートの屋根ふきまたは外装材の清掃または修理

この種の訓練でカバーすべき項目は:

  • アスベストばく露のリスクについて適切で、十分なアセスメントの方法
  • 管理手段(control measure)、保護具及び作業方法の正しい使用に関する説明を含めた、安全な作業管理(work practices)
  • 保護具の選択と適切な使用
  • 廃棄物取扱い方法
  • 緊急時の対応
  • 関連する法的必要事項

HSEの許可を必要とするアスベスト業務についての訓練

高リスクアスベスト含有製品に係る多くの作業は、許可された業者によって行われる。適切な呼吸用保護具を使用し、適正な健康診断を受けており、相応の訓練された労働者のみが許可されたアスベスト作業を請け負うことができる。従って、この種の訓練は、許可された業者で勤務する専門の労働者、監督者、管理者に要求される。

3.再訓練

再訓練は、初期訓練の繰り返しでなく、少なくとも年1回は行われ、作業に対し適切であるべきである。結果として、それは、労働者の経験、技能、知識、作業の頻度、実績を考慮しつつ、個々の労働者が必要とする訓練にすべきである。再訓練は、仕事における好事例(good practice)に焦点を合わせるべきであり、以下の場合、より頻繁に再訓練の実施が要求される。

  • 作業方法の変更
  • ばく露を管理するために使用する装置の変更
  • 実施する作業の大きな変更

4.事業者としての責任は何か?

事業者として、保証しなければならないことは次のとおりである。

  • あなたの労働者に、彼ら自身または他の者にリスクなく作業を行う訓練、知識、経験、能力を持たせること。
  • 監督者、管理者もまた、訓練され、責任について認識していること。
  • 訓練提供者は、労働者によって行われそうな仕事を知っていて、有能であること。

関連情報

訓練提供機関

関係法令

The Control of Asbestos Regulation 2006

JISHA海外トピックス

  • 2008年4月28日 HSL アスベストセメント中のクリソタイル繊維の存在状況に関する調査報告書
  • 2008年4月1日 イギリス安全衛生庁によるアスベスト健康障害防止のための啓発活動

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