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各国情報・国際関係

EU-OSHA年次活動報告書(2010年)の概要

2011年8月29日

EU-OSHA 2011年6月28日 別ウィンドウが開きます

欧州経済危機の中、欧州安全衛生機構(EU-OSHA 別ウィンドウが開きます )は、年次活動報告(2010年)において、全ての働く人の幸福は、持続的な経済回復の鍵となることを主張し続けている。 EU-OSHAによる安全な整備保全における健全な職場キャンペーンの開催、労働安全衛生改善のための経済的動機付け欧州の状況(ESENER)結果の刊行及び、オンラインの対話型リスクアセスメント(OiRA)のパイロットプロジェクトの実施を含む、2010年度の活動報告をまとめた報告書の概要を紹介する。

原資料の題名と所在
EU-OSHA Annual Report 2010:a healthy workforce is key to a sustainable economic recovery

1.
概要
2.
欧州リスク監視部門
3.
作業環境情報部門
4.
コミュニケーション、キャンペーン及びプロモーション
5.
ネットワークの開発

1.概要

困難な経済情勢のなかで、欧州安全衛生機構(EU OSHA)は、引き続き、欧州労働者の安全衛生確保のための活動を行った。その成果を以下のとおり示す。

2.欧州リスク監視部門

将来予測プロジェクトは、新たなリスクを予想するのみならず、政策決定者が対策を講じるに当っての妥当なシナリオを提供した。最初の予見研究は、「環境にやさしい仕事(Green job)」における新たな技術により生ずるリスクに注目した。2011年の発行に向けて、この分野の変化における重要な推進要素を確認する報告書が作成された。

現在進行中の「数値でみる労働安全衛生プロジェクト(OSH in figures)」は、政策立案者が労働災害及び職業性疾病防止対策のために使用することができるような、統計データ、主要な安全衛生問題、傾向、特定グループの労働者及び分野の状況を記述した国別または欧州全般のデータを提供しようとするものである。プロジェクトの一環として、統計でみる保全・整備と安全衛生及び数値で見る安全衛生報告:EU域内における業務関連筋骨格系疾患を刊行した。働く女性の安全衛生についての報告書(案)が完成し、運輸業における報告が作成された。また、疾病及び負傷の職業上の負担への理解、健康に係る仕事への長期的影響についてのプロジェクトを開始した。

最重要なプロジェクトの1つである企業における新たにリスクに係る欧州調査「European Survey of Enterprises on New and Emerging Risks (ESENER)」の最初の調査結果が2010年6月に刊行された。ESENERは、安全衛生リスクまたは業務関連のストレス、暴力や嫌がらせなどの心理社会的リスクにどのように取り組んでいるかについて企業の管理者や労働者の安全衛生労働者代表に質問をすることにより、欧州における事業場の現状を明らかにすることである。現在は、これらの有用なデータを掘り下げ、ESENERが明らかにした情報を有効活用することに重点を移している、すなわち、だれでも自由に使えるようにし、研究者、社会的パートナー及びその他の関係者が調査結果についてそれぞれの国において何を意味するのかを探ることができるようになる。

リスク監視部門は、業務における暴力と嫌がらせの影響に焦点をあて、これらに対してとるべき対策、暴力と嫌がらせを定義づける方法に影響する各国の文化的規範の考え方を明らかにした「欧州における業務関連の暴力と嫌がらせ」についての報告をとりまとめた。

3.作業環境情報部門

多くの資料を作成し、安全な整備保全における健全な職場キャンペーン(キャンペーン指針を含む)のために無償提供した。2010年には、安全な整備保全キャンペーンの支援のために欧州安全衛生優良賞の受賞推薦が行われた。統率力と労働者参加に重点をおいた2012年〜2013年の健全な事業場キャンペーンの準備作業を実施した。

リスクアセスメントに関する健全な職場キャンペーンの重要な成果は、オンラインの対話型リスクアセスメント(Online interactive Risk Assessment、OiRA)であり、これにより欧州においてオンラインツールを無償で提供し、容易にアクセスすることができ、特定の産業部門に応用することによりリスクアセスメントをより簡単に採用することができるようにするものである。2010年には、OiRAの多くのパイロットプロジェクトが実施された。

「労働安全衛生改善のための経済的動機付け欧州の状況(Economic Incentives to improve Occupational Safety and Health: A Review from the European Perspective)」についての検討を2010年8月に着手した。これは、欧州各国がよい労働安全衛生水準を奨励する様々な魅力付け策、例えば、より低い災害保険料率、より低い税率、より低い金利などのよりよい銀行利率、国の補助金など、についての最新の考え方を提供するものである。これについての報告では、経済的動機付けの仕組みは、業務関連災害と疾病数の削減を試みる各国政府の費用対効果を考慮した選択肢となっていることを示唆している。

職場の健康増進(Workplace health promotion、WHP)は、働く人々の健康を改善するために事業者、労働者及びより広い社会により行われるすべてを包含している。2010年に刊行したWHPに関する情報は事業者及び労働者のための概況報告(Fact Sheets)を含む。さらに、若年労働者の健康増進、精神衛生に関する報告が作成され、2011年には刊行される予定である。また、WHPのメッセージを普及するために漫画キャラクターを開発した。

安全衛生を教育に組み込みまたは主流化するため、現在実施中のプロジェクトの一環として、安全衛生の大学教育における主流化について概況報告を刊行した。その中において、安全衛生が大学レベルのコースで含まれている事例を紹介している。また、学校安全とリスク教育への全校的アプローチの事例収集を開始し、学校における安全な学習環境を維持するという観点からリスクの概念が教えられているかどうかについての状況を収集しようとするものである。

4.コミュニケーション、キャンペーン及びプロモーション

2010年のコミュニケーションの主要事業として、安全な整備保全作業のための健全な職場キャンペーン(the Healthy Workplaces Campaign on Safe Maintenance)を推進した。2年間のキャンペーンは、2011年まで継続するが、EUの全加盟国及びそれ以外の国々の参加という記録的水準を見た。キャンペーンは、2010年4月28日、世界(労働)安全衛生の日に、この種の催しでは最大規模で開始された。キャンペーンの最初の年に、40以上の公式キャンペーンパートナーが募集された。キャンペーンのために、EU OSHAは革新的で多言語のウェブサイトを設けた。

業務関連のドキュメンタリーに対する第52回健全職場映画賞が第53回ライプツイッヒフェスティバルにおいてTomaŠ Kudrna氏の監督による「All That Glitters 光るすべてのもの」に授与された。

5.ネットワークの開発

2010年の鍵となる活動の1つは、EU域内の規制当局の調整であった。EU OSHAは、欧州議会、評議会及び委員会と規制当局今後の将来像について検討を行うなど、多様なEU域内規制当局の代理者として活動した。

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