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各国情報・国際関係

米国労働安全衛生局(US-OSHA)のイソシアネートへの職業性ばく露に係るための新しい国家重点プログラムの概要

US-OSHA News 2013年6月25日

米国労働安全衛生局(US-OSHA)は、2013年6月25日、イソシアネートへの職業性ばく露による重大な健康影響から労働者を保護するための新しい国家重点プログラム(National Emphasis Programme:NEP)を発表した。イソシアネートへの職業性 ばく露の職場健康問題についてOSHAの方策に焦点を合わせるために策定された。関連する指令(指令ナンバー:CPL 03-00-017)は、イソシアネートへの職業性ばく露に伴う深刻な健康への影響について、事業主、労働者及び医療専門家の認識を高めるために、強行制のある部分と自主的活動を促す部分の双方を兼ね備えている。

イソシアネートは、塗料、ワニス、車体修理用材及び建築物断熱材(building insulation)を含む材料に使用されている。イソシアネートへのばく露にかかわる仕事は、スプレー式ポリウレタン製造(spray-on polyurethane manufacturing)、マットレスやカーシート等の製品及びトラックの荷台、ボートやデッキのための保護塗装に含まれる。

原資料の題名と所在:
https://www.osha.gov/pls/oshaweb/owadisp.show_document?p_table=NEWS_RELEASES&p_id=24273

https://www.osha.gov/OshDoc/Directive_pdf/CPL_03-00-017.pdf

 

公表概要

米国労働安全衛生局(OSHA)は、2013年6月25日、イソシアネートへの職業性ばく露による重大な健康影響から労働者を保護するための新しいNEOを発表した。

OSHAは、3年間かけて、業界内の特定の危険に向けた支援取組みや危険の点検に焦点を合わせた国家重点プログラムを開発したところである。このNEPを通じ、OSHAは、職業病や死亡を減らすための取組みにおいて、イソシアネート化合物を使用する一般事業場、建設や海運事業場に焦点を合わせている。

"イソシアネートにばく露された労働者は、ばく露後数ヶ月さらには数年後でも、衰弱が進行する健康問題で苦しむことになる。"とOSHAの労働長官補のDr. David Michaels博士は述べ、"このプログラムを通じ、OSHAは、イソシアネートにばく露される労働者の保護を強化する。"としている。

イソシアネートは、職業性喘息、皮膚、眼、鼻腔及び咽頭の炎症、及びがんを誘発する可能性がある化学物質である。イソシアネートばく露により喘息や過敏性肺炎の両方が併発し、死亡引き起こされている。また、皮膚へのイソシアネートへのばく露を通じて呼吸器疾患が引き起こされる場合がある。

イソシアネートに関するOSHAのウェブページにおいては、一般、建築及び海運業の事業場でのイソシアネートに係るOSHA基準だけでなく、潜在的な危険を認識するための追加的情報が提供されている。1970年の労働安全衛生法の下では、事業主は、従業員のために安全で健康的な事業場とする責任があるとされているが、OSHAの役割は、米国の労働者のために基準を設定し、これを適用するほか、そして訓練、教育及び支援を行うことにより、これを達成するため条件を確保することである。なお http://www.osha.gov. を参照。

 

OSHAの関連指令(要約)の概要(指令ナンバー:CPL 03-00-017)

イソシアネートへの職業性ばく露の職場健康問題について、OSHAの方策に焦点を合わせるために開発された。
本指令は、イソシアネートへの職業性ばく露に伴う深刻な健康への影響について、事業主、労働者及び医療専門家の認識を高めるために、行制のある部分と自主的活動を促す部分の双方を兼ね備えている。

イソシアネートへの職業性ばく露の健康影響は、職業性喘息、皮膚(皮膚炎)と粘膜(眼、鼻腔、咽頭)の刺激、過敏性肺炎、胸部圧迫感がある。イソシアネート、さらに、潜在的にヒトへの発がん性物質として分類され、また動物にがんを引き起こすことが知られている、化合物も含む。

多くの産業と職業に従事する労働者が、作業関連の喘息に関連することが知られている多数のイソシアネートのうち少なくともひとつの物質に、ばく露されて、米国内のすべての成人の発症喘息事例の少なくとも15%が職業的な要因と関連している。

職業性喘息は、胸部圧迫感、喘鳴、咳と息切れを含む断続的な呼吸困難を特徴とする病気である。それは、しばしば重篤となり、時には致命的である。

イソシアネートへのばく露の可能性のある仕事として、塗装、発泡断熱材の吹き抜けやポリウレタンフォーム、断熱材、表面コーティング、自動車のシート、家具、フォーム・マットレス(foam mattresses)、アンダーカーペット・パッド(under-carpet padding)、包装材料、靴、積層織物(laminated fabrics)、ポリウレタンゴム、接着剤等の多くのポリウレタン製品の製造や熱劣化作業(thermal degradation)がある。

本指令は、複数の業種を対象として、イソシアネートへの吸入、皮膚及び他の経路での職業性ばく露を評価することに焦点を合わせることとしては、サイト選定システム(site selection system)について規定している。本指令は、特にイソシアネートへの職業性ばく露を扱うすべての地域や地方重点を対象にしたプログラムに置き換わる。

重要な変更
本指令は、労働安全衛生当局による新しいイニシアチブを示している。

 

OSHA指令の目次

  1. 目的(Purpose)
  2. 範囲(Scope)
  3. 参考資料(References)
  4. キャンセル(Cancellations)
  5. 失効(Expiration)
  6. アクションオフィス(Action Offices)
    •   A.  管理オフィス(Responsible Office)
    •   B.  アクションオフィス(Action Offices)
    •   C.  情報オフィス(Information Offices)
  7. 連邦政府のプログラムの変更(Federal Program Change)
  8. コンサルテーションプログラム(Consultation Programs)
  9. 重要な変更(Significant Changes)
  10. アプリケーション(Application)
  11. バックグラウンド(Background)
  12. プログラム手順(Program Procedures)
    •   A.  業界選定(Industry Selection)
    •   B.  サイト選定(Site Selection)
    •   C.  点検スケジュール(Inspection Scheduling)
    •   D.  苦情と照会(Complaints and Referrals)
    •   E.  支援プログラム(Cooperative Programs)
    •   F.  戦略的なパートナシップ(Strategic Partnerships)
    •   J.  点検の範囲の拡大(Expanding the Scope of the Inspection)
  13. 検査手順(Inspection Procedures)
    •   A.  会議開催(Opening Conference)
    •   B.  記録の保管(Recordkeeping)
    •   C.  ばく露評価(Exposure Assessments)
    •   D.  保護具(Personal Protective Equipment (PPE))
    •   E.  ハザードコミュニケーション(Hazard Communication)
    •   F.  整理整頓(Housekeeping)
    •   J.  引火性及び可燃性の製品(Flammable and Combustible Products)
  14. フォローアップ点検(Follow-up Inspections)
  15. 危険警告レター-フォローアップ(Hazard Alert Letter (HAL) -Follow-up)
    •   A.  HAL フォローアップ(HAL Follow-up)
    •   B.  事業主のHALプログレス(Employer's HAL Progress)
  16. OSHA情報システム(OIS)のコーディング(OSHA Information System (OIS) Coding)
  17. アウトリーチ(Outreach)
    •   A.  オフィス(Offices)
    •   B.  オンライン資料(Online Materials)
  18. コーディネート(Coordination)
    •   A.  連邦オフィス(National Office)
    •   B.  地方オフィス(Regional Office)
  19. プログラム評価(Program Evaluation)
  20. 連邦機関(Federal Agencies)

 

附属書A
イソシアネートばく露が知られているか、または、起こりうる業界
附属書B
イソシアネートのサンプリング、フィールド抽出、サンプル輸送手順
附属書C
ヘルスサーベランス・フォーム(非必須)-イソシアネートばく露
附属書D
サンプル・イソシアネート危険警報レター(Sample Isocyanate Hazard Alert Letter)
附属書E
刊行物及び資料
附属書F
サンプル・一般義務条項引用言語(Sample General Duty Clause Citation Language)
附属書H
イソシアネートへのばく露労働者のための医学的サーベランスプログラム情報に関する事業主のための一般的なガイダンス
附属書G
イソシアネートへのばく露労働者のための呼吸用保護具を含む個人用保護具に関する事業者のための一般的なガイダンス

全ての働く人々に安全・健康を 〜Safe Work , Safe Life〜

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