お問合せ

中央労働災害防止協会(中災防)
教育推進部 業務課
TEL 03-3452-6389
FAX 03-3453-3449
E-mail: kyoiku@jisha.or.jp

 

 

Get ADOBE READER
PDF形式のファイルをご覧になるには、Adobe Systems Incorporated(アドビシステムズ社)のAdobe® Reader™が必要です。

 

調査・研究

調査研究概要

製造業務における非正規労働者に係る安全衛生の実態に関する調査研究結果のポイント

Ⅰ 本調査研究の目的・手法

非正規労働者(派遣労働者を除く。)については、正規労働者と比べ十分な内容の安全衛生教育が行われていないと思われること等による安全衛生上の問題が懸念されるため、本調査研究では、非正規労働者(製造業務における派遣労働者を除く。)を取り上げて、安全衛生上の課題や取り組み事例を明らかにするための実態調査を行った。

アンケート調査は、総務省の「事業所・企業統計調査」(平成18年)から製造業の3,000事業場および中災防の賛助会員の中から製造業の2,000事業場を抽出し、郵送によりアンケート調査票を発送し、1,857事業場から回答を得た(平成21年11月〜12月、回収率は37.1%)。

また、4事業場を選定し、訪問して具体的な活動について事例を収集した。

 

Ⅱ 本調査研究で明らかになった主な事項

アンケート調査に回答した1,857事業場の集計結果から、製造業務における非正規労働者の安全衛生活動の取り組み状況についてまとめるとア〜オのとおり。

非正規労働者の有無および業務
1,857事業場における非正規労働者の有無については、パートタイム労働者がいる事業場は66.5%、期間工・契約社員がいる事業場は41.9%、嘱託社員がいる事業場は67.7%、出向社員がいる事業場は35.4%、臨時的雇用者がいる事業場は6.7%であった(表1左欄)。
非正規労働者の数は期間工・契約社員が最も多く(期間工がいる事業場での平均人数は60.6人)、パートタイム労働者が次いでいる。
非正規労働者が従事する業務を尋ねたところ、パートタイム労働者がいるうちの48.0%、嘱託社員がいるうちの66.4%が業務を限定していなかった。限定している場合の業務は、加工・組立、検査、梱包が多かった。
 
非正規労働者の被災状況および被災者の経験年数
過去3年間(平成18〜20年度)に業務上の災害(休業1日以上)があったかどうか聞いたところ、あったと回答した事業場は60.5%であった。
就業形態別に見ると、1,857事業場のうち正規労働者が被災したのは51.0%、パートタイム労働者がいる1,235事業場のうちパートタイム労働者が被災したのは12.2%、期間工・契約社員がいる779事業場のうち期間工・契約社員が被災したのは17.3%、臨時的雇用者がいる125事業場のうち臨時的雇用者が被災したのは11.2%であった。
労働災害発生率を年千人率(労働者千人当たりの年間労働災害発生(休業1日以上)率)でみると、非正規労働者の年千人率の平均は2.1で、正規労働者の1.3より高かった。就業形態別に年千人率をみると表1右欄にあるように、臨時的雇用者は5.5、パートタイム労働者は3.2、期間工・契約社員は2.2と正規労働者より高かった。
非正規労働者の被災者の経験年数について聞いたところ、1年以下の経験年数の者がパートタイム労働者で40.2%、期間工・契約社員で49.7%、臨時的雇用者で81.3%で(表2)、これらの者の災害発生率が高いことから、労働者の経験年数が短いことが災害発生の要因となっていることがわかる。
 
安全衛生活動・対策
非正規労働者のいずれかが安全衛生活動・対策を行っているか聞いたところ、4Sまたは5S活動、朝・終礼での安全・健康講和、安全マニュアルの遵守、危険予知、ヒヤリハット、安全提案制度、交通労働災害防止教育、健康教育が8割以上であった。一方、実施割合の低かったのはメンタルヘルス教育、過重労働者に対する面接、リスクアセスメントに関する教育および実施で6割程度であった。
就業形態別に活動状況をみると、期間工・契約社員、嘱託社員、出向社員に対しては、リスクアセスメントの教育を除けば、正規労働者と同程度の割合で実施されている。臨時的雇用者は、いずれの活動・対策も実施率が最も低く、正規労働者より20ポイント以上低いものもあった。
 
安全衛生教育の実施状況
非正規労働者に対する安全衛生教育の実施状況を尋ねたところ、雇入れ時の安全衛生教育および作業内容変更時の安全衛生教育は、どの非正規労働者に対しても8割以上で行われていたが、危険・有害業務に従事する際の特別教育、定期的に集合しての安全衛生教育は5〜6割台と低かった。
また、アンケートで非正規労働者に対して雇入れ時安全衛生教育を行っている1,663事業場においてどのように行っているか就業形態別に尋ねたところ、「正規労働者と同様のカリキュラムである」が82〜88%、「正規労働者より簡単な内容である」は10〜18%程度であった。
 
安全衛生委員会等の設置
衛生委員会または安全衛生委員会(以下、「委員会」という。)を設置していると回答した1,782事業場に、委員会に非正規労働者の代表が参加しているか尋ねたところ、非正規労働者のいずれかが「委員会の労働者側の構成員として参加している」のは、26.8%、「委員会の労働者側の構成員の選任に参加している」のは、22.5%であった。委員会の構成員として参加しているのは、嘱託社員や出向社員が多かった。
安全衛生委員会等の労働者側の構成員としても、その選任にも参加していない場合、非正規労働者の作業や作業場所の安全衛生に関する意見・要望を聞く場があるかどうか尋ねたところ、いずれの非正規労働者がいる事業場においても、80%以上で意見・要望を聞く場があると回答している。

報告書では、以上の調査結果を踏まえて、非正規労働者の安全衛生の実態と課題をまとめ、掲載している。

表1 非正規労働者数と労働災害年千人率

表1 非正規労働者数と労働災害年千人率
  非正規がいる 実数合計 非正規がいる事業場の平均人数 労働災害年千人率平均
パートタイム労働者 1235
66.5
35178 28.5 3.2
期間工・契約社員 779
41.9
47221 60.6 2.2
嘱託社員 1258
67.7
24826 19.7 0.9
出向社員 658
35.4
18764 28.5 0.8
臨時的雇用者 125
6.7
1829 14.6 5.5

表2 被災労働者経験年数(就業形態別)

表2 被災労働者経験年数(就業形態別)
  正規労働者 パートタイム労働者 期間工・契約社員 嘱託社員 出向社員 臨時的雇用者
全体 1268
100.0
189
100.0
171
100.0
53
100.0
29
100.0
16
100.0
2ヵ月以下 164
12.9
35
18.5
31
18.1
7
13.2
5
17.2
4
25.0
2ヵ月超、6ヵ月以下 108
8.5
19
10.1
29
17.0
3
5.7
2
6.9
6
37.5
6ヵ月超、1年以下 106
8.4
22
11.6
25
14.6
2
3.8
3
10.3
3
18.8
1年超、2年以下 153
12.1
29
15.3
31
18.1
7
13.2
3
10.3
0
0.0
2年超 737
58.1
84
44.4
55
32.2
34
64.2
16
55.2
3
18.8

全ての働く人々に安全・健康を 〜Safe Work , Safe Life〜

中央労働災害防止協会
〒108-0014 東京都港区芝5-35-2 安全衛生総合会館

  • 厚生労働省
  • JISHA-ISOマネジメントシステム審査センター
  • 安全衛生情報センター