ゼロ災運動・KY(危険予知)

ゼロ災運動に取り組む事業場紹介

大阪施設工業株式会社 ~日本一安全な鉄道工事会社を目指す取り組み~

職場の風土を変えるゼロ災運動

「働く人一人ひとりが大事だ」、「一人もケガ人は出すまい」という人間尊重の心を経営の基本の第一に据え、 一人ひとりの従業員の職業生活を安全にかつ健康に全うさせる。このトップの決意がゼロ災運動推進の大きな柱です。

このゼロ災を願う「トップの経営姿勢」を自ら運動の先頭に立って実践しているのが近畿、岡山圏で鉄道線路保守、 土木工事を主な事業とするJR西日本グループの大阪施設工業(株)(OsK、従業員約3百名)の平野雅之社長です。

平野社長は、平成9年にOsKに入社し翌年社長に就任されました。 「当時のOsKは、経営管理、業務管理システム、安全管理、4s、KYT、挨拶、マナーなど、 どれをとっても自慢のできる状況ではなかった」と自ら評される状況で、安全、 経営再建の基本に人づくりの必要性を痛感し、 それまで勤務していた同じJR西日本グループの広成建設㈱で学んだ「安全は最大の経営課題であり、 ゼロ災運動の導入は職場の風土を変える」という経験を大阪施設工業でもぜひ実践したいと願い、 ゼロ災運動導入を決意しました。 ここから「安全はOsKの最大の商品である」を経営の基本認識とする 「日本一安全な鉄道工事会社」をめざすOsKの取り組みがスタートしたのです。

「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」

OsKではいろいろな活動が行われています。当たり前のことを当たり前に徹底してやり抜くという 「凡事徹底運動」。お客様、社員、協力会社、家族、地域社会などへ絶えず感謝の気持ちを忘れないという 「ありがとう運動」。そして、凡事徹底を触車事故防止に活かした活動である、sTK運動です(写真1)。

(写真1)
写真1

sTK運動は、重大事故に直結する触車事故防止対策としてJR西日本が行っている指差し呼称の手法を応用した訓練で、指差確認のs、待避のT、片手水平上げのKをとりsTKと呼ばれています。OsKでは、「すぐやる、必らずやる、出来るまでやる」ことを目標に点数評価を取り入れ、このsTKが一定のレベルに達するまで徹底的に訓練を実施しています。

KYTの活動としては、指導者の資質が活動の成果に大きく影響するという理由から自社トレーナーを積極的に養成し、月1回のKYT基礎4R法、OsKワンポイントKYTボードによるすべての作業にかかる前のワンポイントKYT(写真2)など、決めたことを必ず実行しています。そしてこれらの活動をOsKだけの活動にとどめることなく、協力会社との定期的な勉強会などを通して基本理念と活動の共有化を図るなど、誌面の都合ですべてを紹介できませんが平野社長自らが先頭に立ち,さまざまな活動に取り組んでいます。

(写真2)
写真2

安全は最大の商品

これらの活動が実を結び、平成10年度に6.07であった度数率が、平成15年度には0.67まで減少。またその成果は安全に止まることなく、平成9年度23億円であった工事高が平成15年度には88億円という大幅な増加となり、「安全はOsKの最大の商品である」という経営理念を実証させました。

これらの取り組みを称え、平成16年10月27日から3日間、大阪市で開催された全国産業安全衛生大会において、中央労働災害防止協会会長賞が贈呈されました。 今後は、さらなる安全衛生活動の向上をめざし、労働安全衛生マネジメントシステムにも取り組み始めており、今後の活躍を期待したい会社です。