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ゼロ災運動・KY(危険予知)

ゼロ災運動に取り組む事業場紹介

積水化学工業株式会社住宅カンパニー近畿支店

~優秀なスタッフの選任で示されるトップの姿勢~

ゼロ災運動の推進にあたって、基本的に重要な3つの柱(トップ・ライン・職場)があることはご存知の通りです。運動を進展させるためには、この3つの柱が相互に関連し合い、支え合うことがポイントとなります。中でもトップの姿勢の示し方は重要で、具体的に示さなくてはなりません。

トップが自分一人でできることには限度があります。会社にとって良い仕事をしようと思えば、トップはまず優秀なスタッフを持つことが必要です。スタッフを通じて広く情報を集め、自分の会社、事業場の実態に合った運動推進プログラムを立てさせることが必要です。優れたスタッフがいないと、優れた仕事もできません。まずはトップの姿勢を示すにはスタッフの選任です。特に安全衛生スタッフには、明るく人柄の良い、ラインから信頼される人を選任したいものです。

親企業のゼロ災運動推進

そこで今回は、このスタッフの育成に取り組んでいるゼロ災運動推進事業場の一つ、積水化学工業(株)住宅カンパニー近畿支店の取り組みを紹介しましょう。

そもそも同社のゼロ災運動は、滋賀県栗東市にある化学製品製造工場などが集まった化学部門でのキックオフから始まったもので、長い歴史があります。その後、住宅部門住宅カンパニー(鉄骨、木造の住宅を製造、販売、据付工事、リフォームの建設工事などへの指導、援助部門)へと展開されています。ここでのゼロ災を願う気持ちは「見逃すな 危険作業と危険箇所 先手の改善 ゼロ災 ヨシ!」と、住宅カンパニー独自のスローガンを掲げたことにも現れています。

今回ご紹介する近畿支店は、近畿地方5県が販売エリアの関係会社13社を取りまとめ、同支店技術室の東室長や技術安全担当の北脇課長が安全衛生の指導・援助を担当しています。人材育成の責任部門でもある同室では、トップによるゼロ災害、ゼロ疾病の人間尊重への取り組みに熱心です。このため各関係会社の社長、役員、部長、所長クラスの方々は、中災防主催のゼロ災運動トップセミナーにも参加されています。

グループ会社のスタッフ育成

トップが自らの経営姿勢を明確にできれば、次に重要となるのはスタッフの育成です。ゼロ災運動はあくまでも理念をもった「運動」です。運動を推進するのは、一人ひとり使命感を持った運動者であり、実践者でなくてはなりません。

そこで同支店では、スタッフは、「運動実践者」であるという視点、立場を理解してもらうために、これまでにさまざまな自主研修会を企画してきました。「ゼロ災運動のあらまし」「ゼロ災運動の理念」「ゼロ災小集団活動について」「KYTの目指すものについて」「KYTの導入から定着まで」「指差し呼称について」「健康KYについて」などが研修会テーマの一例です(中災防教育推進部からも職員を派遣し、運営のお手伝いをしています)。

一方では、同業他社にも積極的に職場風土変革の教えを請い、「できるだけ自らにカルチャーショックを与え、できるだけ多くの立場の違う人と情報交流し、成功した例をまねて、自分自身をできるだけ客観的に見る」ことを繰り返し、自らを成長させる、スタッフ育成に力を入れています。

現在はさらなる推進のため、スタッフを各社の安全衛生のプロとして育て、安全衛生管理のライン化の徹底を進めることをねらいとして、安全衛生管理活動の仕組みづくりも始めています。

ゼロ災の推進は経営の基盤づくり

(写真 研修会の様子)
写真 研修会の様子1


写真 研修会の様子2

写真は、育成した販社の安全衛生担当者が行った研修会の様子です。住宅メーカーという業種柄、建築現場での一人作業が多いため、自問自答カードを活かした一人KYTを実践して災害ゼロを目指してほしいと、施工管理者、協力会社の工事責任者や作業者を対象に行ったものです。このように、育成したスタッフから第一線の監督者へと、ゼロ災運動のノウハウが浸透していくのです。

トップのゼロ災運動の決意に始まり、第一線の職場自主活動へとその運動の心を伝え、推進活動が活発化することで、企業活動の基盤が強固なものとなります。そのためには、スタッフの育成へ時間や金を惜しんではならないと考えます。