ホーム > ゼロ災運動・KY(危険予知) > ゼロ災運動に取り組む事業場紹介 > 北海道石油共同備蓄株式会社北海道事業所

ゼロ災運動・KY(危険予知)

ゼロ災運動に取り組む事業場紹介

北海道石油共同備蓄株式会社北海道事業所

日本最北端の備蓄基地、北海道事業所(北共備)で行われている無事故・無災害の継続を目指した安全活動の取り組みを紹介します。昭和57年の操業以来続けてきたゼロ災運動を中心とした安全活動に、平成8年より取り入れたTPM活動(日本プラントメンテナンス協会提唱)をリンクさせ、無事故・無災害の継続に向けた独自の活動に取り組んでいます。

安全への社員の意識

北共備の業務内容は、主に石油貯蔵施設の貸与、石油の備蓄・受払、石油貯蔵施設に付帯関連する設備の維持管理、運転管理です。製造業とは異なり、設備の運転頻度は少なくどちらかというと静的職場のイメージがありますが、大量の危険物を扱っており、常に危険と隣り合わせの仕事をしています。また、国民生活の基盤である石油の供給を行うという使命も担っています。このため、常に安全に対する意識を高め、緊急時に能力が発揮できるように、設備を維持・運転管理できる社員の育成に力を入れています。また、中期・単年度計画を作成、重点課題を明確にし、盤石な基地を目指して、一歩一歩着実な安全活動を全員参加で実施しています。また、操業当初から中災防主催「ゼロ災運動プログラム研究会」など各種研修に参加し、KY活動、指差し呼称活動、ヒヤリ・ハット活動をベースに、安全活動に取り組み、成果を上げています。しかし、将来的に無事故・無災害を継続するには、徹底した未然防止活動が何よりも必要です。

活動のスパイラルアップと定着

そこで、業務に合わせて各種のKY活動を展開し、ヒヤリ・ハットの分析と活用に力を入れました。また、人の意識に頼る活動に限界を感じ、設備・業務の本質安全化を目指し、徹底した改善のために、北共備で開発したTNL(10いらず)改善(図1)などを実行し、年間7万件(月一人当たり70件)以上の安全・効率化などの改善を8年間以上継続しています。危険で無駄な作業を排除し、改善する目的でこの活動をスタート、自ら目標を立てて、改善のPDCAサイクルを回せるシステムへと発展させ、改善環境を整備しながら、安全を自らつくり出すという意欲と自覚を持たせる工夫をしています。さらに、安全の第一歩である5S活動にも強力に取り組み、日常業務の一つに組み込み、当たり前のこととして実行し、こちらも自己管理できる仕組み「5Sマネジメントシステム」として活用し、安全確保の基盤としています(図2)。

図1 TNL(10いらず)改善

図1 TNL(10いらず)改善
図1 TNL(10いらず)改善

図2 5Sマネジメントシステムの考え方

図2 5Sマネジメントシステムの考え方

ゼロ災を目指した限りなき挑戦

また、これまで積み上げてきた安全活動をさらに発展させ、「現場不安全作業の分析と改善」という現場の潜在危険を洗い出し撲滅する活動に取り組み、平成15年の全国産業安全衛生大会においてこの活動の成果を発表しています。また、これらの所内すべての安全活動を網羅的に運用していくため、平成16年に労働安全衛生マネジメントシステムの認証を受け、さらなる本質安全化への取り組みを開始しています。

協力会社とも一体となった安全衛生活動を展開し、地域・社会から信頼され「安全で安心して働ける環境に優しい備蓄基地」を目指して日々努力しています。平成16年には、操業以来23年間継続してきた「第4種無災害記録」を突破し、次の目標である「第5種無災害記録」を目指して活動しています。安全活動には終わりがなく、明日を保証できる活動もありません。盤石な基地を築き、維持するために、「事故・災害の未然防止活動の徹底」を合言葉に、日々一歩一歩、着実に活動しています。