キャンペーン・募集

安全で安心な店舗・
施設づくり推進運動

実施要綱

1 趣旨

第三次産業における労働災害は増加傾向にあり、特に、社会福祉施設、小売業及び飲食店の発生件数は第三次産業全体の約5割を占めている。
労働災害が増加している要因としては、人手不足や労働者の高齢化などの要因のほか、転倒災害、腰痛災害など行動災害によるものが多い中で事業場の取組が進んでいないことや、店舗・施設に安全衛生担当者がいないなど安全衛生活動が低調である中で、その活動をサポートすべき本社・本部の取組が不十分であることも指摘されている。このため、企業・法人全体での労働災害防止の取組を進めるとともに、店舗・施設における基本的な安全衛生活動にも着眼した取組に配意する必要がある。
また、第三次産業は経営者に労働者の安全衛生に対する関心が必ずしも高くない傾向があるが、災害のない店舗・施設づくりは、施設利用者、消費者の安全にも寄与するものであることや人材確保にも資することを踏まえて、経営者の関心を高める必要がある。このことの訴求の明確化のため、昨年度までの本運動の名称を見直した。
本運動は、経営トップの参画の下、本社・本部と店舗・施設における労働災害防止のための取組を促進し、本社・本部と店舗・施設の役割に応じた全社的な安全衛生活動を展開することにより、職場の危険箇所の除去、作業方法等の改善、労働者の危険に対する感受性・注意力の向上等を図ることにより、小売業、社会福祉施設及び飲食店における労働災害を減少させることを目的とするものである。

2 期間

令和3年4月1日から2年間

3 主唱者

厚生労働省、中央労働災害防止協会

4 実施者

小売業及び飲食店の多店舗展開企業の本社及び店舗、多くの社会福祉施設を展開する法人の本部及び施設

5 主唱者の実施事項

  • (1) 厚生労働省の実施事項
    • ア 小売業、社会福祉施設及び飲食店の労働災害防止に係る周知啓発資料等の作成、配布
    • イ 小売業、社会福祉施設及び飲食店の労働災害防止対策に活用できるコンテンツを集めた特設サイトの開設
      • (ア) 災害事例、効果的な対策、好事例の紹介(チェックリストを含む。)
      • (イ) 小売業、社会福祉施設及び飲食店の労働災害防止対策に資するセミナー等の開催、案内
    • ウ 本運動を効果的に推進するための各種団体等への協力要請
    • エ 都道府県労働局、労働基準監督署による企業・法人、事業場への啓発・指導
  • (2) 中央労働災害防止協会の実施事項
    • ア 推進運動の周知啓発
    • イ 事業場の安全衛生対策への指導援助
    • ウ KY訓練、転倒災害防止、腰痛予防対策に資する研修等の開催、教育支援
    • エ 教育用テキスト、周知啓発資料等の提供
    • オ 転倒防止のための防滑靴、切創防止手袋、火傷予防手袋等の有効な保護具の普及促進

6 実施者の実施事項

  • (1) 店舗・施設の実施事項
    店舗・施設においては、次に示す各々のSTEPに掲げる事項のうちから、事業場の実情に応じて、必要な取組を実施すること。

    STEP1

    • ア 4S(整理、整頓、清掃、清潔)の徹底による転倒災害等の防止
      • ※ 床面の水濡れ、油汚れ等の小まめな清掃、台車等の障害物の除去、安全に介護等の作業ができる作業スペース、通路等の確保など
    • イ 危険箇所の表示による危険の「見える化」
    • ウ 作業マニュアルへの安全衛生上の留意事項の追記及び店舗・施設の従業員への周知・教育、朝礼時等での安全意識の啓発

    STEP2

    • ア ヒヤリハット活動による危険箇所の共有、除去
    • イ KY(危険予知)活動による危険予知能力、注意力の向上
    • ウ 防滑靴、切創防止手袋等の着用、介護機器・用具等の導入、使用の推進、熱中症予防のための透湿性・通気性の良い服装の活用

    STEP3

    • ア 店長・施設長、安全衛生担当者による定期的な職場点検の実施
    • イ 腰痛健康診断(腰痛予防対策指針に基づくもの)や体力チェックの実施
    • ウ 腰痛・転倒予防体操の励行
      その他、リスクアセスメントの実施、高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドラインに基づく職場改善、メンタルヘルス対策
  • (2) 本社・本部の実施事項
    小売業及び飲食店の多店舗展開企業の本社並びに多くの社会福祉施設を展開する法人の本部は、次の実施事項のうち、企業・法人の労働災害の発生状況、労働者の健康管理の状況等に応じて、(1)の店舗・施設の実施事項が継続的、組織的に行われるよう、安全衛生体制の整備を含めた必要な取組を実施すること。
    • ア 企業・法人傘下の店舗・施設全体の労働災害の発生状況の把握、分析
    • イ 経営トップの意向を踏まえた安全衛生方針の作成、周知
    • ウ 安全に配慮した作業マニュアルの作成と店舗・施設への周知
    • エ  (1)に示す事項を含め、店舗・施設で実施すべき安全衛生活動を定め、店舗・施設での取組を展開するとともに、必要な資料の提供、教育の実施等の支援を行うこと
    • オ 店舗・施設における安全衛生担当者(安全管理者、衛生管理者、安全衛生推進者、衛生推進者、安全推進者)等の配置状況の確認
    • カ 店舗・施設の安全衛生担当者に対する教育の実施
    • キ 本社・本部安全衛生担当者、産業医、エリアマネージャー等による店舗・施設に対する危険箇所や安全衛生活動の取組状況の点検、災害防止指導及び健康確保措置の実施
    • ク 安全対策の取組や注意喚起を分かりやすく従業員へ周知するための掲示や小冊子の配布
    • ケ 店舗・施設のリスクアセスメントの実施及びその結果に基づく対策の実施
    • コ 店舗・施設におけるメンタルヘルス対策に係る指導及び実施状況の把握
    • サ 店舗・施設における健康診断、長時間労働者への面接指導及びそれらの事後措置等の労働者の健康確保措置の実施状況の把握

7 留意事項

  • (1) 本社・本部と店舗・施設の役割分担を明らかにして、それぞれの取組の実施を図ること。
  • (2) 全ての事項の取組を求めるものではなく、店舗・施設の実態等に即して、可能なものから取組の実施を図ること。
  • (3) 労働者の災害防止のみならず、店舗・施設における利用者や消費者の事故及びヒヤリハットの把握等の活動と併せて取り組むことで、より効果的な自主的取組が期待できること。
  • (4) 「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」及び「STOP!転倒災害プロジェクト」に基づく取組を、「安全で安心な店舗・施設づくり推進運動」に基づく取組事項に組み込むことが有効であること。
  • (5) 複数の店舗・施設を有する企業にあっては、各店舗・施設が上記6(1)に基づいて実施した取組事例や取組に当たって工夫した点などを他の店舗・施設に共有する等により、企業全体の安全衛生水準の向上を図ること。