中央労働災害防止協会 技術支援部 国際センター配信 No. 005(2018.8.28)

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★JISHA INTERNATIONAL OSH-Net CLUB
(略称:I-OSHクラブ)
(海外の安全衛生分野の最新情報を提供するメールマガジン)
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中災防国際センターでは、海外の最新の安全衛生情報の提供や日系企業担当者等への安全衛生教育等を通じて、海外においても、労働災害のない職場、働く人が安全で健康に働くことができる職場を実現していただくためさまざまな支援を行っています。今後は、メールマガジン「I-OSHクラブ」を通じて、皆様に海外の安全衛生の情報を定期的に配信いたします。

==== 目 次 =======================================================

・ 【最新の海外の安全衛生情報のご案内】(日本語)(中災防へのリンク)
・ 【海外の安全衛生に関するイベントのご案内】
・ 【国際センターによくある問合せ(FAQ)】
・ 【今月のPick Upキーワード】・・・「Vision Zero」
・ 【国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)が公表されました】
・ 【海外の安全衛生情報に関するFAQ】
・ 【私の海外雑話】
・ 【I-OSHクラブ メールマガジン登録のご案内】
・ 【編集後記】

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【最新の海外の安全衛生情報のご案内】(日本語)
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海外の行政機関等のホームページにおける安全衛生情報を日本語に翻訳し、中災防ウェブサイトに掲載しています。タイトル下のURLをクリックすると、中災防ウェブサイトの記事へリンクされます。

〇 オーストラリアの労働安全衛生制度を更新しました。(8月9日)↓
https://www.jisha.or.jp/international/sougou/pdf/australia201808_00.pdf

○ ILOによる世界各国の安全衛生概要(ILOサイトへリンク)(8月8日)↓
https://www.jisha.or.jp/international/topics/201808_01.html

○    第13次労働災害防止計画英語版(厚生労働省サイトへリンク)(8月8日)↓
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000341159.pdf

○    中国国務院機関改革案により、国家安全生産監督管理総局が廃止・統合

国家安全生産監督管理総局(SAWS)が廃止され、同局、国務院弁公庁、公安部、民政部などにまたがる災害対応の職責が、新設の危機管理部に統合されました。安全生産監督、危険化学品・危険物質の監督管理、労働者の健康などに関する体制が変更され、危機管理部とその所管の地方機関が担当することになりました。 当サイトでも今後、本情報について掲載する予定です。

★詳細はこちら(JETRO「地域・分析レポート」)↓
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2018/1202a62ca14a1852.html

★中国人民共和国危機管理部のウェブサイト(中国語)はこちら↓
http://www.chinasafety.gov.cn/

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【海外の安全衛生に関するイベントのご案内】
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国際分野における企業の安全衛生活動支援のための安全衛生交流会やその他のイベント等についてご案内します。

○「第10回 海外進出安全衛生担当者情報交流会」が開催されました。

海外展開を図る企業の安全担当者等へ現地の最新の安全衛生情報の提供と担当者間のネットワーク構築を目的とした「第10回 安全衛生担当者情報交流会」(参加費無料)が多数の参加者のもと7月13日(金)に開催されました。

本交流会は、厚生労働省補助対象事業として年に3回(国内2回、海外1回)開催されています。次回の国内開催は来年2月頃を予定しております。募集案内が出来次第、本メールマガジンでもご案内いたします。

★詳細はこちら↓
https://www.jisha.or.jp/international/exchange_communication/pdf/meeting2018_01_kekka.pdf

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【今月のPick Upキーワード】・・・「Vision Zero」
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「Vision Zero」とは、安全・健康・幸福の3つの次元で、全ての職場における事故と疾病を予防する革新的なアプローチです。ISSA(International Social Security Association、国際社会保障協会)が、2017年9月に「Vision Zero」を提唱し、従来の安全管理手法を革新するべく次の7つのゴールデンルールを掲げ、「安全は、コストではなく戦略的な投資」という考えを元に、企業のトップのリーダーシップによる安全文化構築を推進しています。なお、欧州安全衛生機構(EU-OSHA)なども、Vision Zeroキャンペーンに参加してます。

7つのゴールデンルール
・リーダーシップをとり、コミットメントを示しましょう
・危険源を同定し、リスクをコントロールしましょう
・ターゲットを定めてプログラムを作成しましょう
・労働安全衛生体系を整備しましょう
・機械、設備、作業エリアの労働安全衛生を確保しましょう
・従業員の資格を向上し、能力を開発しましょう
・人に投資し、参加を通じてやる気を高めましょう

Vision Zeroを詳しく理解するためのツール
〇「災害ゼロと健康的な働き方のための7ゴールデンルール」(日本語版)(ISSA、国際社会保障協会)作成)(本書は、企業トップや経営層、マネージャークラスを対象に、チェックリスト方式でゴールデンルールが実行されているかどうかについて確認ができます)
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http://visionzero.global/sites/default/files/2018-06/VZ_Brochure_jp_web_180606.pdf

〇 Vision Zeroキャンペーンサイト(ISSA)(英語)
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http://visionzero.global/

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【国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)が公表されました】
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 6月18日(月)、WHO(世界保健機関)は、国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)を公表しました。現行のICD-10への改訂(1990年)以来、約30年ぶりの改訂となります。国際疾病分類(ICD)は、WHOが作成する国際的に統一した基準で定められた死因及び疾病の分類であり、死因や疾病の統計などに関する情報の国際的な比較や、医療機関における診療記録の管理などに活用されている。

★詳細はこちら↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000211217.html

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【海外の安全衛生情報に関するFAQ】
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当センターによくある海外の安全衛生情報についての問合せ等を紹介します。

Q「各国の自殺の状況を比較した資料はありますか」
 → 
A 2014年の資料となりますが、WHOより「Preventing Suicide: a global imperative」が公表されています。自殺に関する世界の状況やWHOの取組み等について詳細にまとめられています。日本語版は自殺総合対策推進センターのサイトで閲覧できます(PDFがダウンロードされます)。
https://jssc.ncnp.go.jp/file/pdf/topics_140905_1.pdf

Q「外国語による安全衛生の資料はありますか」
 → 
A 下記サイトで、中災防、厚生労働省、国際研修協力機構(JITCO)などによる外国語の安全衛生教材を紹介しています。
https://www.jisha.or.jp/international/ftext/index.html

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【大東建託、ベトナム語仕様の安全教育アプリを共同開発】
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大東建託(株)は、(独)労働安全衛生総合研究所と共同で、ベトナム語仕様の安全教育アプリを開発することを決定しました。本アプリは、危険予知トレーニングができる建設作業員向けの安全教育ツールで、5月より全国22会場で順次開催されており、ベトナム人技能実習生向け安全研修を皮切りに、全国の建設現場で導入される予定です。

★詳細はこちら↓
http://www.kentaku.co.jp/corporate/pr/info/2018/aqehc40000008ye1-att/hazzardtouch_0427.pdf

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【私の海外雑話】
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 私にとって2回目のドイツ訪問は、1997年の冬、ドイツの産業医制度の調査のためであった。ドイツは再統一されていたものの、未だ首都はボンであった。同行されていた専門のドイツ語通訳は、日本からドイツに留学中にある大学のドイツ人教授と結婚された女性であった。ドイツ連邦政府労働社会秩序省の訪問を終えて、共に夕食を食べに行く途上で、近い将来のECからEUへの発展のためのECのボンの事務所前を通った際に、彼女は、私をその事務所内に誘った。たくさんのEUへの発展を推進するための資料があり、それらのいくつかを手に取って見た。私が、欧州はアメリカに対抗するためにEU結成を目指しているのでしょう、と発言したところ、彼女は、キッとなって、「いえいえ、そんな意図はありません。2度の世界大戦を経て、もう隣の国同士で戦争するのはたくさんだとの思いからです。」と答えた。

それから約20年を過ぎて、英国のEU離脱の決定やフランスの大統領選挙での極右派の台頭、東欧諸国の一部でEUの難民受け入れ政策への反対の動き等が顕著になった際に、私は、彼女にドイツ国内の若い人々のEUへの考え方はどうなのか、メールで質問した。彼女の答えは、戦争を全く知らぬ世代も育ち、20年前と比べるとEUの目指すより良い社会への理念への共感が薄れてきているということであった。私は、個人的には、EECの労働安全衛生枠組み指令の「〜技術的基準及び自主規制基準を定めている各国の規則は、安全衛生保護水準の点で差異が大きく、安全衛生を犠牲にして競争に走りかねない余地を残していることに鑑み〜」この指令を制定したという理念は重要であると考えているが、今後のEUの運命との兼ね合いでどうなるだろうか、やや懸念を感じている今日この頃である。(国際セ 唐沢)

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【I-OSHクラブ メールマガジン登録のご案内】
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JISHA International OSH-Net Club(I-OSHクラブ)メールマガジンの登録を募集しています。興味のある方はどなたでも登録できますので、配信希望の方は、下記メールアドレスに、メールのタイトルを「メルマガ申込」として、(1)「登録したいメールアドレス」と(2)「会社名・部署」を記載の上、お申込下さい。なお、登録は何名でも登録可能です。

メールマガジン(I-OSHクラブ)申込先アドレス: kokusai@jisha.or.jp

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【編集後記】
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欧米のことわざに、「Cat has nine lives」(猫には9つの命がある)があります。これは、猫はどんなに高いところから落ちても死なないという迷信から来ています。我が家でも猫を飼っていますが、高いところを好んでよく棚の上や出窓などに上ります。猫が高いところを好むのは、外敵に襲われるリスクが低く、視野が広くいち早く危険予知しやすいという野生本能に基づくと言われています。また、猫は高いところでもバランスを保つことができるという身体能力の高さにも由来しているのでしょう。しかし、先日、我が家の猫がピアノの上から滑ってズッコケて以来、猫なりに危険予知をしているのでしょうか、ピアノには二度と近づこうとはしません。まさしく想定外の出来事でした。(国際セ 住)

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東京都港区芝5−35−2 安全衛生総合会館6階
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FAX 03―3454−4596
メール kokusai@jisha.or.jp
国際センターウェブサイト http://www.jisha.or.jp/international/index.html

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