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国からの委託事業であった 「国際安全衛生センター(JICOSH)」 別ウィンドウが開きます が2008年3月末をもって廃止されました。 永らくのご利用ありがとうございました。 同センターのサイトに掲載されていた個別の情報については、中災防WEBサイトの国別分野別情報にリンクして取り込んでおります。

 

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各国情報・国際関係

海外の労働安全衛生統計―イギリス(2009/10)

2010年12月27日

イギリス安全衛生庁(HSE)のウェブサイトにおける統計( statistics 別ウィンドウが開きます )のページに2009/10の安全衛生統計( PDF Health and Safety Statistics 2009/10 別ウィンドウが開きます )が2010年10月に掲載された(32ページの冊子)。
その概要は次のとおりである。

なお、この統計( statistics 別ウィンドウが開きます )のページにおいては、傷害・疾病・危険発生報告規則(RIDDOR-the Reporting of Injuries‚ Diseases and Dangerous Occurrences Regulations 1995)及び労働力調査(LFS-Labour Force Survey)により作成されたデータの中から、ユーザーが必要とするデータを選んで取り出すことができるツール( Health and Safety Online or HandS-On 別ウィンドウが開きます )が設置されている。

イギリス安全衛生庁(HSE) 統計2009/10
PDF The Health and Safety Executive Statistics 2009/10

業務上疾病

労働力調査(LFS-Labour Force Survey 別ウィンドウが開きます )によれば、前年度中に働いた130万人の人々が、現在または過去の仕事が原因で罹患しまたは悪化したと考えている疾病(継続または新規)に罹っている。このうち55万5千人は、前年度中に開始された新規の事案に該当した。
2‚249人が中皮腫により死亡(2008年)し、その他数千人が職業性がん及び肺疾患により死亡している。

※ LFS:四半期ごとに行われるイギリスの労働市場に関する5万世帯対象の全国調査
2008/09年版報告書: PDF Self-reported work-related illness and workplace injuries in 2008/09 別ウィンドウが開きます 他を参照

業務上死傷災害

09/10年の業務上災害による死亡者数は、152人に上り、死亡10万人率は0.5である。
傷害・疾病・危険発生報告規則(RIDDOR-the Reporting of Injuries‚ Diseases and Dangerous Occurrences Regulations 1995)に基づいて報告された死傷者数は、121‚430人で、10万人率は473である。一方、LFSによる負傷者数は23万3千人で、10万人率は840である。

労働損失日数

全体の労働損失日数は、2‚850万人日であり、労働者一人当たり1.2日である。このうち2‚340万人日が疾病によるもので、510万人日が死傷災害によるものでる。

自己申告による疾病

LFSによると、09/10年に過去12月に働いたおおよそ130万人の労働者が、業務に起因する疾病にかかったと考えている。また、最も多く報告された疾病は、筋骨格系障害及びストレスによるものであった。

2009/10における疾病の種類別数(千件)

2009/10における疾病の種類別数(千件)
疾病の種類 有病者数の推計中央値 95%信頼区間
下限値 上限値
筋骨格系障害 572 532 613
  主に腰痛 248 222 274
  主に上肢、首 230 205 255
  主に下肢 94 78 111
ストレス・うつ・不安 435 401 469
伝染病 57 44 70
呼吸器や肺の障害 38 28 48
合計 1‚266 1‚207 1‚326

*記載されていない疾病(例:心臓病、皮膚病など)があり、推計中央値であるため合算した数値と合計は異なる。

死亡災害

  • 2009/10年では、労働災害による死亡者は152名(暫定)であった。これは、死亡10万人率で0.5である。
  • 時系列で見ると一貫した減少傾向にあり、特に2009/10年は、過去の5年間の10万人率の平均に対して顕著な減少となっている。
  • 主な業種のうち、建設業と農業が最も高い災害率となっており、これらの業種では、死亡者数はそれぞれ42名と38名であった。
年度 雇用者(Employees) 自営業者(Self-employed) 労働者合計(Workers)
10万人率 10万人率 10万人率
2003/04 168 0.7 68 1.8 236 0.8
2004/05 172 0.7 51 1.3 223 0.8
2005/06 164 0.6 53 1.4 217 0.7
2006/07 191 0.7 56 1.2 247 0.8
2007/08 178 0.7 55 1.4 233 0.8
2008/09 127 0.5 52 1.3 179 0.6
2009/10P 111 0.4 41 1.0 152 0.5

RIDDOR規則により報告された休業災害

  • 2009/10年において、RIDDOR規則により報告された重篤災害(Major injuries:骨折、手足の切断、脱臼などを伴う重篤な負傷)は26‚061件であり、10万人率は101.5であった。その原因のうち、最も多いのが滑り・つまずき(41%)で、次いで墜落転落(16%)となっている。
  • 重篤災害以外の休業4日以上の災害件数は、95‚369件であり、10万人率では、371.5である。これらの原因のうち、最も多いのが物の取扱い・運搬(36%)で、次いで滑り・つまずき(24%)となっている。
年度 雇用者 自営業者 労働者合計
重篤災害 10万人率 10万人率 10万人率
2007/08 28‚199 106.7 1‚190 29.5 29‚389 96.5
2008/09 27‚894 105.6 1‚106 27.3 29‚000 95.2
2009/10(暫定) 26‚061 101.5 1‚035 25.3 27‚090 91.0
休業4日以上 10万人率 10万人率 10万人率
2007/08 110‚054 415.1 1‚121 27.8 111‚175 364.9
2008/09 105‚261 398.4 931 23.0 106‚192 348.5
2009/10(暫定) 95‚369 371.5 902 22.0 96‚271 323.5

労働力調査(LFS)とRIDDOR規則による報告との災害件数

  • 2009/10年のLFSによる要報告傷害の10万人率は、840であり、前年と同程度である。
  • RIDDOR規則による事業者からの報告の重篤災害と休業4日以上の災害の10万人率は、LFSの57%で報告漏れが多い。

監督指導の執行通知

  • 2009/10年にHSEは、9‚734件の執行通知を行った(前年は8‚079件)。また、鉄道監督局(Office of Rail Regulation(ORR))においても37件の通知を行った(前年36件)。
  • 地方自治体においては、6‚110件の通知を行った(前年6‚340件)。
  • 通知の合計は、15‚881件であった。

司法処分

HSE・ORR関係
  • 2009/10年にHSE及びORRは、1‚033件の法違反事案について司法処分を行った。これらのうち、922件が完結し、73件が有罪(80%)となった。これらのうち7件は、ORRに関連する事案で、このうち2件が有罪であった。
  • 訴追される違反は、個別の法規の要求事項に対する不履行を計上するので、1の事案について複数の不履行により訴追される。2009/10年には512事案について922(474事案)の法違反について有罪となっている(有罪率93%)。
  • 2009/10年の有罪となった組織体は、合計1‚160万ポンドの罰金刑を受け、違反1件当りの罰金は14‚614ポンド、1事案当りの罰金は15‚817ポンドであった(ORR分を除く)。
地方自治体関係
  • 2009/2010年に287件の法違反事案について司法処分を行った。これらのうち、254件が有罪(89%)が有罪となった。
  • これらの法違反は、118の事案についてであり、これらのうち、114の事案(97%)が有罪となった。
  • 2009/2010年の有罪となった組織体は、合計210万ポンドの罰金刑を受け、違反1件当りの罰金は8‚102ポンドであった。

関連情報

イギリス安全衛生庁(HSE)のウェブサイトにおける統計( statistics 別ウィンドウが開きます )のページには、前記の Health and Safety Online or HandS-On 別ウィンドウが開きます の他に、多数の資料が掲載されている。その一部の表題を以下に示す。

  • 中皮腫に関する統計
  • 欧州各国との比較(2007)
  • 産業別の数値
  • 過去10年間の傾向
  • 各種刊行物リストと今後の刊行予定

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