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労働安全衛生 − 危険とその対策
マニュアル・ハンドリング(人力作業)の危険 − マニュアル・ハンドリング

資料出所:オーストラリア全国労働安全衛生委員会(NOHSC)ホームページ
http://www.nohsc.gov.au/smallbusiness/businessentrypoint/hazards/handling/default.htm

(仮訳:国際安全衛生センター)



マニュアル・ハンドリング(人力作業)とは?

 物を取扱う場合の次のような作業をいう。
  • 持ち上げること
  • 運搬すること
  • 支えること
  • 押すこと
  • 引っ張ること
どのような傷害が発生するか?

 無理な動作、あるいは継続的な酷使により筋肉や靭帯が損傷する傷害。この傷害は突然襲ってきたり、長時間かけて発生したりする。

なぜ、あなた達は何らかの対策を講じなければならないのか?
  • 腰及び首の傷害、並びにヘルニアは重い傷害である。これらは、活動を制限し、痛みを伴うことにより、労働生活のみならず、個々人の一般的なライフスタイルを弱体化させるような影響を及ぼす。
  • このような傷害は、回復に長い期間を要し、しばしば仕事を休まなければならない場合がある。予期しない休業により、企業の生産活動は混乱を招くこととなる。
  • このような傷害に関する労働災害補償請求は高くつく。
法的責務は?

 全州と地域にはマニュアル・ハンドリングに関する規則があり、設計者及び製造者の事業者に適用される。マニュアル・ハンドリング傷害の防止対策としては一般的に次のようなものが含まれる。
  • 最初に、工場、工程、設備及び製品の安全設計によるリスク回避を行なうこと。
  • マニュアル・ハンドリングから生ずるリスクを特定、評価し、コントロールすること。(これらを実行する方法として、リスクアセスメント実施のアドバイスを参照すること。)
  • 労働者と相談の上、リスクアセスメントを文書化し、実施すること。
  • 設計の見直しにより、リスクをコントロールし、機械を使用した昇降装置等の利用を行うこと。
  • 労働者に一般的なマニュアル・ハンドリング及び作業別の特別要件についての教育訓練を行なうこと。
最初になにを実施しなければならないか?
  • マニュアル・ハンドリングが実施されているすべての作業を確認し特定すること。(この実施が困難なときは、OHSの職場の安全衛生の始め方:安全作業手順を参照して、安全チェックを行うこと。)
  • リスクアセスメントを実施する際の考慮すべき要因についての情報の入手を行なうこと。当委員会のマニュアル・ハンドリングの実践基準は、マニュアル・ハンドリングによるリスクの特定、評価及びコントロールについての実用的なガイドラインを示している(政府刊行物発行所で入手できる)。
  • 労働者と相談の上、まず最初に評価する作業を定めること。
  • リスクアセスメントを実施するための教育訓練を行なうこと。
その他の情報の入手方法

 州と特別地域の安全衛生局は、職場でのマニュアル・ハンドリングに関する法規を遵守しようとする企業を援助するための情報源を作成する努力を行なっている。この情報源には、分かり易い英語版リーフレットおよびガイド等を始めとして、教育訓練用のビデオやプログラム、ポスターなどが含まれている。
 幾種類かのリーフレット等は無料で、なかには、他の言語でも利用可能である。詳細は、コンタクト・リストを参照して頂きたい。

 西オーストラリアの労働安全局(Worksafe Western Australia)インターネットサイトも又、広範囲のマニュアル・ハンドリング傷害を低減する方策について、貴重な情報を提供している。 ウェブサイトはhttp://www1.safetyline.wa.gov.au/sub27.htmである。

 経営者協会(Employer Association)も又、あなたの産業に有用なガイドを作成しようとしている。 

 この情報は、1998年7月現在のもので、ガイドとして企画されたものである。詳しい情報及び適用法規については、各州または地域の安全衛生当局に聞いて頂きたい。