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労働安全週間で、ドラッグとアルコールへの警鐘

(資料出所:「WorkCover Corporation Health & Safety Bulletin」
Volume 12 December 2002 p.7)

(仮訳 国際安全衛生センター)


建設業におけるアルコールによる労働災害は、ほとんど過去のものとなった。Construction and Other Industries Drug and Alcohol Program Inc.のキム・ダニエル氏によると、この問題に対処する事を目的とした受賞プログラムのおかげでもある。

ダニエル氏は、建設業とその他の産業におけるドラッグとアルコールに関するワークショップ “The Construction and Other Industries Drug and Alcohol Program” を開催した。このワークショップは、南オーストラリアの大規模な労働安全衛生イベントである労働安全週間(Safe Work Week)開催期間中(11月11日〜15日)に開かれた。このプログラムは、去年の “Safe Work Award” の一つである、 “2001 WorkCover Corporation Safe Work Promotion Award” を受賞した。

1992年にプログラムが最初に始まった時、国際労働機関(ILO)によって集められたデータによると、労働災害のうち5件に1件、つまり20%が飲酒によるものだった。オーストラリアでは、建設業は、鉱業に続き労働災害率が2番目に高い産業であり、それは国の平均の2倍である。

ダニエル氏によると、統計は、仕事中ではないが、建設労働者の27%が、いまだに中程度から体に害をもたらすほどのレベル(一日当たり、6〜8杯以上)の飲酒をしていることを明らかにした。

ダニエル氏は、「プログラムは、オーストラリアの建設業現場における飲酒の減少に大きな効果を上げた。そして、アルコールの影響を受けた労働者の扱いに関する法や職場での措置もまた、大きな影響を与えた。酒宴や社交行事は、現在、仕事場から離れた場所で開催されていることからも分かるように、事業主の注意義務に対する認識は、かなり高まっている。」と述べた。

プログラムによって明らかになった一つの問題は、建設業における労働力が、流動的な性質を持っているということだ。ダニエル氏は、「非常に多くの人々が異なる文化、雇用背景を持っているため、どの位の量のアルコールが過度になるかということに関して全くの認識不足が存在する。その上、プログラムが最初に始まって以来の10年間に、大麻やアンフェタミンの様なドラッグの使用が増加した。」と述べた。

「全てのドラッグに対して、許容の余地はないという姿勢の事業主もいるが、我々の方針は、労働者が仕事を安全に行う能力が損なわれていないかどうかということを中心に考える。又、我々は、ドラッグに冒された労働者と彼らの代表と共に、その問題について話し合うよう事業主にアドバイスしている。」

WorkCover Corporationは、職場でドラッグやアルコールに冒された社員の管理に関して、事業主は、はっきりとした考えを示す必要があると言っている。多くの事業主は、仕事中のドラッグやアルコールの使用に関する方針を持たないが、方針は誰もが問題に対処できる共通の基準であるため、それぞれの事業所において明確な方針を持つことは非常に重要である。

職場でのドラッグの存在は致命的な結果をもたらす。建設業において、アルコールやドラッグ(合法であろうと、処方されたものであろうと、非合法であろうと)の影響を受けている労働者は、深刻な傷害や死亡の高いリスクを有している。

事業主・従業員・組合・安全衛生の代表者が関与し、現場でその戦略を大々的に取り上げることで、建設業は、建設労働者にとって重要な安全衛生問題への取り組みに成功してきた。

ダニエル氏は、ビデオ ‘Not at work, mate’ は、作業者との現場での議論を通してメッセージを伝えることはかなり効果的な方法であると述べた。

For more information contact
Mr. Kim Daniel, Construction and Other Industries Drug and Alcohol Program Inc.
Telephone (08) 8373 0122

Contact WorkCover Corporation's Customer Centre on 13 18 55
for a copy of Guidelines for Drugs, Alcohol and the Workplace
or download a copy from the Corporation's website:

www.workcover.com/documents/resDrugAlcoholGuidelines.pdf