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マニュアル・ハンドリング(人力作業)に関する法規について

(資料出所:「WorkCover Corporation Health & Safety Bulletin」  2001 VOL.6 p.1)

(訳 国際安全衛生センター)



マニュアル・ハンドリングは労働災害の主要な原因の一つであり、労災補償請求件数の36%、支払額の47%を占めている。マニュアル・ハンドリングによる傷害は産業のあらゆる部門で発生している。この種の災害が最も多く発生しているのは次のような業種である。

  • 介護助手
  • 清掃人
  • 正規看護師
  • 荷物運搬人
  • 製品組立工
  • 高齢者、障害者介護人
  • 果実、野菜、ナッツ農場労働者
  • 厨房作業者



この記事は1995年労働安全衛生福祉(OSH&W)規則の特定部分に関するシリーズの最初のものである。OSH&W規則は1986年OSH&W法に基づいて制定された。これらの法律、規則の規定はすべて法規であり、順守しなければならない。

マニュアル・ハンドリングに関する規定は2.9項にあり、その目的は次の通り。

  • 事業場におけるマニュアル・ハンドリングによる傷害を防止する。
  • 事業者に従業員のマニュアル・ハンドリングによる災害防止措置を取ることを義務づける。



ほとんどの人が重い荷物を持ち上げる作業がマニュアル・ハンドリングであることを知っているが、荷物を降ろし、押し、引っ張り、保ち、動かし、抑えるなどの作業もマニュアル・ハンドリングであることは、あまり知られていない。肉体的な力を使うすべての活動がマニュアル・ハンドリングに当たる。それほど力がいるようには見えない仕事でも、繰り返しまたは持続的に、あるいは悪い姿勢で行えば、マニュアル・ハンドリングのトラブルを引き起こす。

マニュアル・ハンドリングに関する規則に基づいて、マニュアル・ハンドリング標準作業法が設けられている。この標準作業法は、事業者がマニュアル・ハンドリングに関する規則を実施する際に必要な、詳しい情報や実際的な指針を決めたものである。それは望ましい作業の方法、他に方法がない場合に、同じ目的を達成するために取るべき手段などを規定している。

どのような新しい事業場でもマニュアル・ハンドリングによる傷害のリスクを抑制するための、機器、環境、作業方法を考案すべきである。たとえば重量物の作業は機械化する、作業の高さやレイアウトを調整し、労働者が低い姿勢や腰を曲げた形で作業をしないですむようにする。事業場にすでにマニュアル・ハンドリング用マニュアルがある場合、事業者は規則に定められたアプローチでリスクを制御しなければならない。

マニュアル・ハンドリング規則および標準作業法はワークカバー・コーポレーションの下記のホームページに掲載されている。またその他のマニュアル・ハンドリングに関する資料、業界特定の資料なども掲載されている。www.workcover.com




 

記事のオリジナルは下記のサイトでご覧いただけます。
http://www.workcover.com/workers/worhsb13.html