このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
国際安全衛生センタートップ国別情報(目次) > オーストラリア 新しい国家労働安全衛生計画(オーストラリア)

新しい国家労働安全衛生計画(オーストラリア)

資料出所:オーストラリア全国労働安全衛生委員会(NOHSC)ホームページ(2002年5月)
http://www.nohsc.gov.au/NewsAndWhatsNew/MediaReleases/mr-29052002.htm

(仮訳:国際安全衛生センター)



 全国労働安全衛生委員会 (National Occupational Health and Safety Commission:NOHSC) は 2002年5月24日に職場関係大臣会議 (WRMC: the Workplace Relations Ministers' Council )が、国家労働安全衛生計画(2002-2012)の発表を承認したことを歓迎している。この計画は、職場における労働者の死亡と傷害を減少させるための目標を達成するため、オーストラリア政府、オーストラリア商工会議所、業界及びオーストラリア労働組合協議会が協同して、労働安全衛生を改善することを国の優先事項とするという、画期的なものである。

 この計画はNOHSC のメンバーたちによって提案され、職場の安全衛生を継続的に改善する責任を分担するという合意を反映している。計画(National OHS Strategy 2002-2012)はhttp://www.nohsc.gov.au/nationalstrategy/ で入手可能である。NOHSCのOHS改善枠組み(1999年)はこの政策に置き換えられ、枠組みで確認された国の行動のための9つの分野は、この計画の基盤となっている。

 この計画にもとづく国の安全衛生のビジョンは、オーストラリアの職場を死亡、傷害、及び疾病から解放することである。NOHSCは毎年この計画の実施状況をWRMCに報告し、計画の実施期間を通じて、見直しや改善が行われる。

 国の目標は、改善の目安を示し、次の10年間のオーストラリアにおける安全衛生の大幅で、絶え間ない改善のための国の取り組みを促進するものである。目標は以下の通りである:
  • 2012年 6月30日までに少なくとも20%(2007年 6月30日までに10%)死亡災害を減少させること、 そして、
  • 2012年 6月30日までに少なくとも40%(2007年 6月30日までに20%)労働災害を減少させること。
 短期的または、長期的に改善を成し遂げるために、国が最初に行動すべき5つの優先分野がある。それは:
  • 発生率と重篤度の高いリスクの減少
  • 効果的にOHSを管理する管理者と労働者の能力の改善
  • 業務上疾病の効果的な防止
  • 設計段階での危険の除去
  • OHSの成果に影響を与えるための政府の能力の強化
 NOHSCは現在この5つの優先事項の詳細な行動計画を開発しつつある。それは2003年5月のWRMCへの最初の年次報告に間に合うように準備が進行中である。

バックグラウンド

 オーストラリア全国労働安全衛生委員会(NOHSC)は三者構成の協議機関で、全国労働安全衛生委員会設置法1985に基づいて設立され、オーストラリア政府機関の代表及びオーストラリア商工会議所(Australian Chamber of Commerce and Industry:ACCI)とオーストラリア労働組合協議会(Australian Council of Trade Unions:ACTU) とによって構成されている。

 最近の公表されたデータ によると(WRMC、Comparative Performance Monitoring - Third Report, 2001)、オーストラリアでは1999-2000年に206人の職業上の負傷による死亡者が生じている。休業5日以上の負傷者は1999-2000年で1000人の労働者につき 16.0 であった。なお、これらには自営業者等の労災保険でカバーされない負傷ならびに職業性疾病による労災申請者および死亡者は含まれていない。

 統計データの詳細は、http://www.nohsc.gov.au/Statistics/OverviewDataPolicyAnalysis/#ComparativePerformanceを参照のこと。

 労災補償の分析データは、http://www.nohsc.gov.au/Statistics/publications/#compendium を参照のこと。