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労働関連のストレス

資料出所:「Pulse」 2000年 No.3
(訳 国際安全衛生センター)


HSAの上級心理学者ディック・スラデン氏によると、新ミレニアムにはリストラ、ダウンサイジング、急速な新技術導入の影響で、労働関連のストレス障害が職場の健康に対し今後ますます大きな脅威となるという。

「この10年間、オーストラリアでは官民を問わず大規模なリストラが進んだ結果、労働者数が削減され、それに従って職場に残った人の労働量と雇用不安が増大した」とスラデン氏は語る。「こうした要因が、新技術の急速な導入とあいまって労働者への圧力となり、ストレス関連疾病の増加につながった」

これが顕著に現れているのが、年間25%の急成長を続けるコールセンター業界だ。ACAリサーチの調査(1999年5月)によると、同業界の転職率は、米国の3%に対してオーストラリアは18%に達し、そのコストは年間1億ドルと推計されている。

退職の最大の理由はストレスで、調査対象者の20%がストレスコントロールのために専門家の助けを、80%がストレス管理の訓練を求めている。

コールセンター業界の退職率が高い主な原因は、この仕事には特別な資質が必要であることが理解されていない点にある。デロイト&トーシュ・コンサルティング・グループのコール・センターについての報告書(『The Age』1998年6月30日号に掲載)は、採用の際は必ず性格診断を行うべきであり、適切な人材と適切な支援がなければコール・センターは十分な結果を残せないと結論づけている。

スラデン氏は「ストレス関連障害をなくすには、個々の業務に性格的に適した人材を採用することがますます重要になる」と語る。「従業員の良好な精神状態を決定する最大の要因は、安定した性格的特徴であることが研究で明らかになっている」

同氏は「HSAの採用前の性格診断によって、性格と心理的特徴に関する必要な情報が得られ、業務や作業に合った適切な人材を探すのに役立つ」と述べている。

この他、HSAには事業者と労働者が職場のストレスに対処するのに役立つ二つのツールがある。グループと個人向けのストレス管理プログラム、それに組織内でのストレスの原因を突き止め、解決策を勧告する職場のストレス検査である。

《ストレス》

職場のストレスの主な兆候

  • 欠勤の増加
  • 普段より長い昼食休憩時間
  • 勤務時間の長期化
  • 業務関連の苦情の増大
  • 業績の低下