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中国の労働安全衛生マネジメントシステムについて

(資料出所:国際安全衛生センター海外調査より)



 中国では労働安全衛生に関する総合的な法令がないこと、企業での遵法意識が必ずしも高くないこと等により安全衛生管理には問題があるとの認識をもっており、これを解決する方策として、OSHMSの導入を検討している。この一環として、国家経済貿易委員会では1999年10月に職業安全衛生管理体系試行標準を出した。今回の試行標準の公表の最終目的は、先進国で導入されている管理標準の導入にある。

 中国での取り組みは、1996年に研究が開始され、海外の資料の収集を行った。この結果は国家経済貿易委員会に提出された。1998年3月には、労働部の副部長が責任者となって委員会を組織した。この検討を経て今回、国家経済貿易委員会から試行標準が公表された。

 政府のプランでは、
   (1)企業向けの試行標準の研修、
   (2)優れた企業の認証を経て、
   (3)一般にこのシステムを普及させる
ことを考えている。 この事業を行うため、安全科学技術研究センターと石油化学安全衛生研究院(青島)の2つの機関が認証機関となった。
 安全科学技術研究センターでは、認証センターと諮問センターを設け、企業の担当者に対する研修を開始した。最近実施した研修では、50人の定員に250人の参加があった。

 企業の関心は相当高いが、問題もある。それは、
   (1)市場経済下での安全衛生管理には企業側が慣れていないこと、
   (2)現行の標準は完成したものではなく、内容面で改善の余地があること、
   (3)企業に対して優れた安全衛生管理を研修したいが、研修を行う側に経験が乏しく、実際の管理経験を持っていないこと
等である。この解決策として、外国の経験を学びたいとのことであった。