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過小評価されている働く女性の安全衛生リスク

資料出所:欧州安全衛生機構ホームページ
http://osha.europa.eu/news/press_releases/en/22_01_2004/index.htm

(仮訳 国際安全衛生センター)



 欧州安全衛生機構(European Agency for Safety and Health at Work)は、職場での傷害及び疾病並びに防止結果と性別との相違点を検証した結果、伝統的な防止方針は、女性に対して仕事に関するリスクを過小評価していると発表した。


 新しい報告書「労働安全衛生における性の問題(Gender issues in safety and health at at work - A review)」では、職場での傷害及び疾病、知識の差並びにリスク防止の改善結果と性別との相違点を検証、作業をどのように計画するかを示している。EU法規には、労働者に作業を適合させるという原則が明記されているが、作業方法の設計や、組織及び設備は、平均的な男性を基本としていることが多い。

 一般的に女性は、喘息やアレルギーと同様、作業関連ストレス、感染症、上肢障害及び皮膚障害になり易く、男性は、傷害、腰痛及び聴力損失になり易いといえる。

 報告書は、効果的に防止対策を実施し、かつ、労働安全衛生における性別からくる偏見を取り除くため、調査研究、方針の設定及び災害防止活動において、性別に配慮した取組みを推進することを提言している。

 報告書の冒頭でコメントされているが、Anna Diamantopoulou委員は、次のように語った。「女性の労働の質を改善することは、女性の雇用を大幅に増やすというEUの目標を達成するための不可欠な要素である。この報告書では、リスク防止対策で性差を考慮すること、又、男性にとっても女性にとっても、仕事に関するリスク防止対策を向上させるためには、性の平等化の活動に労働安全衛生を含めることがいかに重要であるかを示している。」

 機構のHans-Horst Konkolewsky所長も次のようにコメントした。「我々の調査によると、性別に中立であるという伝統的な防止方針では、特に女性の健康に対する本当のリスクを過小評価し、無視さえしていると結論づけられる。リスクアセスメント及び防止対策には、性別に対しより敏感になることが必要で、且つ、一般的には、絶えず増加する欧州の労働力の多様性を考慮することが必要である。」

 この報告書の発表と機を同じくして、機構では、ウェブサイトを活用した性別と労働安全衛生に関する特集コーナー(web feature)を開設した。これは、世界中にある情報を利用した幅広い種々の情報源へのリンクを提供するものである。

 さらなる情報については、欧州安全衛生機構のウェブサイトを参照して頂きたい。http://osha.europa.eu/