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巻頭記事:良好な安全衛生はヨーロッパのビジネスにとって利益

1997年9月15日、欧州安全衛生機構はEUのルクセンブルク評議会(Luxembourg Presidency of the European Union) と共同で、上記のテーマによる第一回ヨーロッパ会議をスペイン・ビルバオ市にあるGuggenheim博物館で開催した。このプログラムに参加したスピーカーは以下の通り。Jean-Claude Juncker氏 (欧州評議会議長・ルクセンブルク首相)Jose Maria Aznar 氏 (スペイン首相)Jose Antonio Ardanza 氏 (バスク管轄区域首相)Jose Maria Gil-Delgado氏 (欧州議会議長)Padraig Flynn 氏 (雇用・社会問題欧州理事)Javier Arenas 氏 (スペイン労働・社会省大臣)


会議には、ヨーロッパ全域から200人を超える安全衛生政策担当者や専門家が参加した。 その中には、EU 23ヶ国、中央及び東ヨーロッパ、そしてヨーロッパ経済地域(European Economic Area) の代表者が含まれる。世界保健機関、国際労働機関、欧州評議会、欧州議会などのヨーロッパの機関や国際機関からも多数参加した。

会議に参加したスピーカーの間では、不適切な安全衛生状況の結果として社会に支払わなければならないコスト及び作業中の事故がもたらす無駄な経済的浪費に関して、圧倒的なコンセンサスが見られた。これは、「一年間にヨーロッパ全体で、6,000人が死亡し、一億人がけがをしている」と述べたJean-Claude Juncker 欧州評議会議長によって強調された。さらにスピーカーらは、職場の安全衛生が不十分だと結局は無駄な出費をすることになるという点にも同意した。その出費を負うのは、国家や社会全体ばかりでなく、しばしばそれによって最も損失を被るのは企業自身なのである。ルクセンブルク首相でもあるJean-Claude Juncker 議長は、EUのGNPのうち毎年2-3パーセントは作業中の事故が占めていると述べた。 Padraig Flynn雇用・社会問題欧州理事は、「すべてのヨーロッパ人のために、健全で安全な職場づくりを推進する活動を再び始めることが決定された」と発表し、「今こそ安全衛生政策をヨーロッパの第一課題に戻す時である。」と述べた。Jose Maria Gil-Delgado欧州議会議長は、安全衛生に新たに重点を置く時に役立つ「社会活動計画」及び、公衆衛生、環境、労働者の安全衛生面についての思案を拡大するなどのその他の政策を呼びかけた。Flynn理事は、安全衛生分野での十分な実践を広く普及させたり、そうした分野での経験を交換したりすることを確実にするという中枢的な役割を欧州安全衛生機構に託した。 Hans-Horst Konkolewsky欧州安全衛生機構局長は喜んで以上のような努力のために貢献すると語った。