アイルランド労働・貿易・消費問題相が
足場の安全キャンペーンを開始

資料出所：European Agency for Safety and Health at Work（欧州安全衛生機構）発行
「News」2000年5月号 p.8
（訳　国際安全衛生センター）

近年、足場の重大な倒壊事故と深刻な災害が多発したことを受け、アイルランド安全衛生当局は、すべての大手建設事業者と協力して現場の安全向上対策に取り組んできた。さきごろトム・キット労働・貿易・消費者問題（Labour, Trade and Consumer Affairs）相は、この分野で2つの措置を実施した。いずれも足場に的を絞った「業務規範」と「ビデオ」である。｢規範」を順守しなかった場合、当局の監督官による法的手続きの際の証拠となる。

これらの取り組み開始にあたり、労働・貿易・消費者問題相は「『規範』と『ビデオ』にまとめられた具体的アドバイスの順守は、多数の建設産業労働者にとっては間違いなく生死にかかわる問題になるだろう」と述べた。建設産業における死亡の半数は、高所からの墜落・転落によるもので、転落距離がきわめて短い場合が多い。

労働・貿易・消費者問題相は、建設現場での安全衛生基準の向上は業界団体であるCIFとICTUにとっての課題であり、安全衛生当局との緊密な協力を必要とすると述べた。また研修の重要性を強調するとともに、FAS、CIF、ICTUが運営する大規模な研修プログラムを賞賛した。しかし同時に、業界は｢経済情勢のきびしさ」を理由にスタッフの研修を怠ってはならないと警告した。危険な地域に勤務するスタッフが研修を受けていない場合、当人たちだけでなく現場のすべての人にとって危険であり、責任ある請負業者はそうしたリスクを冒すべきではない。

詳しい情報について："Code of Practice for Access and Working Scaffolds（通路および作業用足場に関する業務規範）"のコピーと、ビデオ"Safety at All Levels（あらゆる階層での安全性）"は安全衛生当局で入手できる（価格：63.50ユーロ）。Eメール＜publications@hsa.ie＞。「規範」は政府出版局でも入手できる。