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フィンランド 労働安全衛生局の国際協力

資料出所:「Occupational Safety and Health in Finland」
(訳 国際安全衛生センター)


フィンランドは、国連および国際労働機関の一員として、労働安全衛生にかかわる多数の条約と勧告を批准している。それらは、わが国の労働安全衛生に一貫して大きな役割を果たしてきた。

労働安全衛生にかかわる大半の問題に、欧州連合(EU)の権限が及び、労働安全衛生に関するEUの規制は、そのままフィンランドの法律に取り入れられている。

労働安全衛生局(Occupational Safety and Health Department)の専門家は、EU諸機関による労働安全衛生規制とプログラムの作成に参加している。その目的は、労働安全衛生での北欧諸国の高い水準を、EUのすべての加盟国に拡大することにある。同時にEUの立法過程で、フィンランドの低い気温などの特殊条件を考慮させることも目的としている。

労働安全衛生局は、欧州の労働安全衛生ネットワークの構築に積極的に参加している。ネットワーク構築の目的は、労働安全衛生にかかわる研究、法律、良好な実践についての情報を収集、分析、普及し、労働における安全性を向上させることである。国内組織と国際組織との間での情報交換が確立し、労働者と事業者の直接の情報交換も増えている。

フィンランドの労働安全衛生にとって、北欧諸国との協力はきわめて重要な役割を果たしている。1990年に発効した協力協定には、共通の試験と管理手続き、統計、労働条件の継続的改善などの目的が定められている。

北欧の労働市場と労働安全衛生に関する専門委員会のもとに、常設の作業グループとプロジェクトが設置され、フィンランドの専門家と研究者も参加している。近年の協力活動の中心は、労働安全衛生に関するEU規制の具体的実行と、ロシアおよびバルト諸国への支援である。

ロシアおよびバルト諸国との地域協力の目的は、社会的諸矛盾の解消である。バルト諸国のEU加盟条件達成に向けた努力も支援している。