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国際安全衛生センタートップ国別情報(目次) > フィンランド 労働安全衛生行政と労使関係
6.他の権限とサービス

先に述べたように、フィンランドには首相府を含む13の省がある。これらの一部は、OSHに関する行政活動を支援する。

内務省においては"非常時の対応"である。この制度は災害および緊急事態におけるフィンランド国民の安全保障に対して責任を負い、これらの防止の役に立つ。フィンランドでは、火災および火災救助、救援、ならびに民間防衛対策は、軽微な事故から大災害および戦争の危険まで、全ての災害に対処する公的機関に集約されている。

消防活動は、火災予防、消火活動およびこれらに関連する他の措置を含む。救援活動は、交通事故、爆発、石油災害、地滑り、またはその他の自然災害における犠牲者の救済、これらの結果発生する損害を最小にするための必要な措置を含む。救援活動は、公的機関、ボランティア組織および災害発生の場合のその他の組織による活動に加え、活動のための計画や準備を含む。民間防衛対策は、大災害、戦争および類似の状況を原因とする破壊からの国民の保護を意味する。

Inspecta Ltdは設立されたばかりの国営会社で、貿易産業省の管理下にあり、その指導を受ける。この会社は圧力容器、液体ガス、ガス貯蔵庫、ガスパイプ、爆発物、引火性液体などの技術的検査分野に属する問題を処理する。

機械や装置の電気的安全は安全技術局(Safety technology Authority - TUKES)の管轄下にあり、電気製品の販売店に対し年間3,000件の現場検査が実施されている。

社会問題保健省の管轄下にもOSH局以外の組織がある。フィンランド放射線・原子力安全センター(Finnish Center for Radiation and Nuclear Safety)は、原子力発電所の安全について責任を負う。国家公衆衛生機関(National Public Health Institute)、国立福祉保健調査開発センター(National Research and Development Center for Welfare and Health)、国立福祉保健製品管理機関(National Product Control Agency for Welfare and Health)もまた、従業員の健康と安全の監視および向上に寄与している。

6つの地域研究所をフィンランド国内に有する労働衛生研究所(Institute of Occupational Health)は、職業性疾患および労働環境の調査の主要機関である。その活動は、産業医学に関する活動や生物学的監視など幅広い労働安全衛生に関する問題を取り扱う。また、心理的・人間工学に関する作業、心理分野の活動と労働安全、検査、証明、化学的衛生およびアスベストの分析作業も行う。

フィンランド技術研究センター(Technical Research Center of Finland)は技術主体の機関である。フィンランド大学は、あらゆるOSH調査の関連分野を網羅する多くの専門分野にわたる比較的優れた調査情報を有している。

労働安全センターはOSHに関する教育および情報を取り扱う。

環境省は生活環境と自然について責任を負う。フィンランド環境機関(Finnish Environment Institute - SYKE)は化学物質等による環境への危険防止を担当する。

全国消費者局(National Consumer Administration)は、個人保護具および個人使用における手工具などについて責任を負う。

OSHの問題に関係する各省間、複数の行政機関および民間機関の協力は、労働環境における一つの問題が複数の機関が監督することはあっても、フィンランドにおいては非常に上手く行っているといえる。