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フィンランド 労働安全衛生行動プログラムとリスクアセスメント

資料出所:「Occupational Safety and Health in Finland」
(訳 国際安全衛生センター)


労働安全衛生行動プログラムとリスクアセスメント

事業者は、職場の労働安全衛生行動プログラムを策定し、そのなかでリスク情報、リスク最小化の方法、労働安全衛生対策の経緯、責任者の任命を明らかにする。行動プログラムには、労働能力維持のための活動も含めなければならない。労働安全衛生に関する決定に際しては、労働者の高齢化を考慮しなければならない。

行動プログラムは、リスクアセスメントを基礎にする。リスクの所在を把握し、その程度、発生の可能性を評価し、それらを除去または管理するための決定を行う。

リスクアセスメントの目的は、労働によって発生するリスクを把握し、労働者の安全衛生確保のための事業者の活動を促進することである。行動プログラムの目的は、職場に合わせて労働環境を改善することである。行動プログラムの重視は、近代的な安全管理の一部である。

労働能力維持のための活動

労働能力維持のための活動には、事業者、労働者、協力組織が、職場のあらゆる職歴段階にある労働者の労働と実務能力を改善、維持するのに役立つすべての活動が含まれる。

労働能力強化の活動は、フィンランドの労働者の過半数を対象に行われている。職場での能力強化策は、労働自体と労働環境、労働コミュニティと管理者、さらに労働者の技術、資質と健康の向上を対象に実施されている。
労働安全衛生監督署(Occupational Safety and Health Inspectorates)は、職場監督の際に労働能力維持のための活動について指示を与える。

労働衛生管理(Occupational Health Care)

事業者は、労働衛生上の危険要因を防止し、労働条件を改善するため、労働者向けの労働衛生管理事業(occupational health care service)を創設しなければならない。

労働衛生管理事業は、職場に関する報告書を提出し、労働者の健康と労働能力を監視するため、健康診断を実施し、業務関連のリスクについて職場と労働者を指導する。事業者は、法定の労働衛生管理に加え、労働者向けに他の衛生管理サービスも提供できる。

労働衛生管理事業は、職場での労働能力を維持する活動に参加しなければならない。

フィンランド労働安全衛生監督署は、職場監督を通じて、労働衛生管理事業の体制を監督する。労働衛生管理事業の内容を、その医学的側面から監視するのは、社会問題保健省と州政府の責務である。