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ヘアードレッサーの職業性の皮膚および呼吸器疾患

資料出所:「Health and Safety Science Abstracts」2000年2月号
(訳 国際安全衛生センター)

Leino,T.; Tammilehto,L.; Hytoenen,M; Sala.E.; Paakkulainen,H.; Kanerva.L.(Finnish Institete of Occupational Health, Topeliuksenkatu 41 a A, FIN-00250 Helsinki, Finland; Email: tile@ocuphealth.fi) SCANDINAVIAN JOURNAL OF WORK, ENVIRONMENT & HEALTH, Vol. 24, No. 5, Oct 1998, pp. 398-406, ISSN 0355-3140 Published by: FINNISH INST. OF OCCUPATIONAL HEALTH. En;en.

ヘアードレッサーの職業性の皮膚および呼吸器疾患の原因に関する調査が行われた。無作為に抽出した15歳から54歳までの女性ヘアードレッサー500人のうち、355人が調査対象になった。

コンピューターを利用した電話による聞き取り調査で、リスクへの暴露と健康状態を調査した結果、189人に作業に関連した皮膚および呼吸器疾患の症状が出ており、うち130人が健康診断、肺機能検査、パッチテスト、鼻と肺の誘発試験を受けていた。リスクへの暴露と疾患の間に因果関係がみとめられ、それを裏づける医学的検査の結果がある場合、職業性疾患と診断される。

ヘアードレッサーに対する電話調査で明らかになった生涯有病率は、手の皮膚病で16.9%、アレルギー性鼻炎で16.9%、喘息で4.5%だった。臨床試験での有病率は、職業性皮膚病で2.8%、職業性鼻炎で1.7%、職業性喘息で0.8%だった。呼吸器疾患の90%、手の皮膚病の27%が過硫酸アンモニュウムによるものだった。パラフェニレンジアミン、天然ゴム・ラテックス、皮膚への刺激も、手の皮膚炎の原因になっている。ふけ(8.6%)、ピチロスプルム属(12.1%)に対するアレルギーは共通してみられた。以前にアトピー性疾患と診断されたことがある場合、職業性の皮膚疾患、または呼吸器疾患のリスクが3倍に高まる(2.9倍、95%信頼限界1.1−7.9)。

症例中37.5%の人(16人中6人)が、3年の調査期間中に転職を余儀なくされている。仕事に伴う皮膚および呼吸器の症状は、ヘアードレッサーに共通の現象になっている。職業病が疑われ、診断が確定した場合は、特定の原因が確認できるケースが多い(過硫酸アンモニュウムなど)。アトピー性疾患をもつヘアードレッサーは、職業性の皮膚および呼吸器疾患のリスクが高い。




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