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イタリア、トスカナの工芸ガラス労働者のガン死亡率

資料出所:Pergamon Press Plc発行「Journal of Safety Research」Vol.31, No.4, 2000年、p.253
(訳 国際安全衛生センター)
                         

新刊書要約


「イタリア、トスカナの工芸ガラス労働者のガン死亡率」、 R.Pirastu, D.Bartoli, G.Battisa, M.DeSaintis, T.Iaia, D.Orsi, M.Tarchi, M.Valiani, Scand J 、労働環境衛生、24(5):386-391

目的:この調査はトスカナ(イタリア)の17の工業施設に雇用されている工芸ガラス労働者の、ガンによる原因特定的死亡率を検討したものである。

方法:1年以上雇用されている3,390人の労働者(男性 3,180人、女性210人)のコホート(集団)を1993年から調べた。男性についてのガンによる原因特定的予想死亡率を、トスカナの率と対比しながら計算し、性別、 5 年ごとの年齢グループ、暦年などについて特定した。別個の分析が技能工、成型工、素材調整工などの職種別に行われた。

結果:3,180人の男性について、観察された死亡率は、喉頭ガン[標準化死亡率(SMR)166、90% の信頼区間( 90%CI)90-282]、肺ガン[SMR123、 90%90%CI 、100-151]、胃ガン[SMR105、 90%CI 、76-142]、脳腫瘍[SMR150、 90%CI 、71-282]などで予想を上回った。これらの原因の増加は技能工、成形工にも見受けられた。喉頭ガン、肺ガンの死亡率は潜伏期とともに増加し、最初の暴露から 21 年後以降に、SMR値の著しい上昇が見られた。この増加のパターンは喫煙について調整した後でも存在した。

結論:この結果はコホート全体、および技能工、成形工の喉頭ガン、肺ガンの死亡率の一貫した上昇を示している。胃ガンや脳腫瘍もコホート全体、および技能工、成形工で増加している。