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雇用保険研究センター
       

1.沿革と任務

雇用保険法(第20条)およびその規則(第25条)に基づき、1995年12月14日、韓国労働研究院内に雇用保険研究センターが設立されました。関連分野の政策課題の活発かつ専門的な研究を通じて、雇用保険制度(EIS)の健全な発達に寄与するのが、その目的です。

労働者の職業生活の質の向上には雇用保険制度が欠かせないとの考えから、韓国労働研究院は1988年の開設以来、雇用保険制度導入のための予備研究を手がけてきました。1991年8月、政府は1990年代半ば頃の雇用保険制度導入を決定しました。1992年3月、雇用保険研究委員会が発足し、わが国の労働市場に最適なシステムを見極めるため、雇用保険制度導入に関する組織的な研究を行うこととなりました。

30名の専門家から成るこの研究委員会は、実質的には1992年5月に組織され、雇用保険制度の効果的な導入および運営に関する研究に従事、研究結果は政府への提案書にまとめられました。委員会の提案に基づき、政府は独自に韓国雇用保険法案を作成、1993年12月には、この法案が国会にて満場一致で可決され、1995年7月1日をもって雇用保険法が成立しました。

雇用保険制度が失業者支援と将来の失業予防の点で実効を挙げるためには、労働市場の変化に対応できるような柔軟な形で運営されるべきだとは、広く認識されているところです。この点を考慮に入れ、雇用保険法には、雇用保険制度および労働市場に関わる問題全般につき専門的な研究を行うため、韓国労働研究院内に雇用保険研究センターを設置する旨が明記されています。この規定に従って、同上の通り、当センターが設置されたものです。

雇用保険研究センターの主要任務は、雇用保険制度の実施と雇用保険制度の目指す積極的な労働市場政策に関わる諸問題につき、政策志向の研究を行うことにあります。雇用安定プログラム、能力開発プログラム、失業給付金が雇用保険制度の3大プログラムとなっています。センターではこうした雇用保険制度によるプログラムや政策が労働者の雇用安定と福祉に与える影響を評価することに、多大な研究努力を傾けています。また、雇用保険制度の現在の適用状況に関する定期的なレポート「雇用保険の現状」を発行する任を負っています。こうした研究活動に加え、重要な政策課題や政策案を論じるための、公式・非公式のシンポジウムも開催しています。



2.主要な研究活動

  • 継続雇用助成金の有効性評価

    一時休暇を与えたり労働時間を短縮するため雇用者に支給される助成金の効果を査定し、政府支援の最適な金額および条件を調査・決定すること。

  • 失業登録制度の職業紹介効果

    失業登録と職業紹介サービスを効果的に結びつけるため、失業給付金が失業者の経済活動(求職活動や生計の維持など)にどう影響するかを分析し、年齢と保険加入期間に基づいて給付期間を定める現行制度について研究すること。

  • 職業能力開発プログラムの評価および評価モデルの検討

    職業訓練の効果を調査し、向上させるため、その評価モデルを開発すること。

  • 雇用保険が適用される労働者の体系的管理の改善

    雇用保険のよりよい管理システムを企画すること。雇用保険の適用範囲が拡大され、職場ごとの集団管理から個々の労働者管理へと管理方法の変更が提案されたのに伴い、特に中小企業をより効果的に管理することを目指すこと。

  • 失業給付金受給者に関する研究――その特徴と再雇用過程

    特に臨時雇いやパートタイム労働者、小規模事業所に対する失業給付金の適用範囲を研究するプロジェクトが1999年4月1日に発足しました。この研究結果は将来の政策立案に利用されます。

  • 雇用保険データベースおよび情報システムの合理化プロジェクト

    雇用保険統計の信頼性を高めるため、エラーや主要な保険指標の分析を改善すること。また、雇用保険のコンピューター・ネットワークから得られた統計データに基づき、より効果的な分析手法と分析モデルを確立すること。

  • 社会保険の適用範囲と保険料の徴収

    同一の集団に属する労働者に適用される異なったタイプの社会保険を統合し、保険料の徴収を一元化すること。これにより、保険制度運営の効率化をはかり、利用者サービスの向上を保証すること。

  • 社会保険料決定のための賃金基準簡素化プロジェクト

    保険料率決定の際に使用する所得レベルの分類を簡素化すること。これにより、保険加入労働者の支払う保険料と使用者の負担する分担金の額が変更されるため、詳細な調査を行って、労働者・使用者への負担が重くならない最適の保険料率と金額を決定すること。

  • 社会保険の支給システム統合に関する研究

    4つの主立った社会保険を統合するのに合わせ、一律の支給方法、支給額の調整、保険制度改善のための長期的政策の立案等に取り組んでいます。

  • 社会保険組織および運営システムの統合に関するプロジェクト

    社会保険統合のための基本方針を確立し、社会保険の運営システムの一元化をはかること。

  • 失業給付金の補正予算配分

    1999年から2003年までに支給される失業給付金の中期的見積もり額に基づき、健全な資金運用を促進すること。

  • 雇用保険制度の運営に関わるその他の研究