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モンゴル 労働保護推進協会(MLPM)の概要

資料出所:「Labor Protection Movement of Mongolia INSTRUCTION」
(訳 国際安全衛生センター)

沿革

MLPM(Mongolian Labour Protection Movement)は社会福祉サービスを提供する非営利の非政府組織であり、この運動は民主的な市民社会の発展と人権保護活動への貢献を目的に、各種団体、経済団体の労働安全技術者や労働安全専門家などの社会的指導者の提唱で設立された。

1991年4月に組織化され、1997年に法務省に登録され、認定書第138号を取得した。

アジア太平洋労働安全衛生機構(APOSHO)の会員となっている。

(JICOSH註:連絡先はこちら


目的

MLPMの目的は国民のために健全で安全な生活環境を提供し、憲法の宣言条項に基づいて労働条件を獲得する権利の履行に貢献し、国の労働安全政策と活動に影響力を及ぼし、産業災害や職業病を防止することにある。また、この運動の目的は労働安全を完璧なものとするために資産明細書に依存することなく各種団体を育成し、知識と技能を教授し、労働安全に関する公的原則と活動を発表し、より高いレベルでの共同事業活動を進展させることにある。


活動戦略

  1. 国による法律の採択、政策の実施と手続き、正式に認可された資源に基づく労働安全に関する最終プロジェクトに参加する。

  2. 各種の組織が健全な労働環境を確保し、労働に関する責任と基準を実施するために必要な資源と知識を育成する。

  3. 災害の防止方法・技能に関する労働者、管理職、技師の知識向上に重点を置いた研修講座やセミナーなどのサービスを実施する。

  4. MLPMに携わる労働者の利益と権利、職業の向上を希望する人々の権限を保護し、職業と責任の分野で支援に努め、国際舞台では国と非政府団体の双方を代表する。

  5. 他の労働者団体や人権団体と協力し、労働災害の犠牲となり健康を損ねた人々の利益と権利を保護する。

  6. 国際団体や海外団体と協力し、活動の拡大に向けた戦略に関心を持つ団体・組織を支援する。

  7. 最新の労働用保護衣の展示会開催提案を後援し、保護衣・安全装置の生産・供給を推進する。

  8. 労働安全に関する書籍・マニュアル・ポスターの出版やビデオの制作に関心を持つ団体・組織からの協力提案を推進する。

  9. 生産・技法・技術の安全性に関して、一般市民や専門家による評価や結論を受け入れる。

  10. 活動目的に相応しく、責任事項により禁止されていない活動を行なうこと。


主要な構成団体

積極的な推進団体の幅広い参加を得て、そのイニシアチブを促進し、民主主義・責任事項・経営に基づく支援を受けるという原則に従うことを優先する。

首都と一部の州、また組織の部門に支部を持つ。

諮問組織にはMLPM支部代表者諮問会議があり、この会議は少なくとも4年に一度開催され、会員、推進者、支援団体などの人々から構成される。

最高決定機関は運営委員会とする。

運営委員会はMLPM代表者諮問会議から選出された委員9人から構成される。


活動内容

  1. 国が実施する基本原則を策定し、1991年、これらの基本的原則をモンゴル人民共和国労働人口動態保健常設委員会「Ikh Khural」に提案。基本原則はモンゴル人民会議で採択された。

  2. 労働安全プログラムの策定。このプログラムは政府に提案され、1991年の会期中に採択された。

  3. 1992年には、市場経済条件下で労働安全を推進するための助言を詳細に決定。

  4. 設立以来7年間にわたり、国家最高会議を通じて提案した問題について活動を進めてきた。モンゴルは国際労働機関の1981年第155次労働安全衛生産業環境協定を採択した。これは全国レベルで労働安全を向上させ、健全な環境と安全な労働条件に関する責任ある基準を設定し、労働環境に安全性を確保する上で快適な土壌となるものである。

  5. 1995年には「生産性向上と高度な労働文化に向けた運動」を、1996年には「労働安全のための年間活動」を、また「労働安全確保に向けた一般社会の評価活動」を展開した。

  6. 全国の団体・組織を含めた国家審査の組織化に参加した。これは1997年に開催され、政府が「事業者連合」と共同で開催したものである。この審査は労働安全に関する緊急課題に一般市民の注意を向け、全事業者が社会的な理念を確固たるものとする上で決定的に重要な要請および影響力となる改善を目指したものであった。

  7. MLPM運営委員会と専門家はプロジェクト「全国労働安全衛生改善プログラム」の実施に参加し、顕著な役割を果たした。このプログラムには、例えば、援助技術者、専門スタッフ、労働安全担当スタッフの研修を目的とする海外の市場先進国への派遣、これらの技師やスタッフによる書籍・マニュアル・ポスター・警告書の発行に対する支援、会議・シンポジウム・討論会の開催、効果的経営を進めた事業者への奨励措置、このような事業者による研修講座の準備、会場の確保、研修実施への支援など、遂行すべき任務と詳細な内容が盛り込まれていた。

  8. 労働安全技術者や労働安全専門家の知識と手法を国際的基準に沿って向上させるための研修を組織化した。50,000人の会員からなる団体職員のうち、約100人がこの研修に参加した。

  9. MLPMでは助言を提供し、活動戦略を遂行するとともに、各種団体・組織のための「労働安全委員会」を設立した。

  10. 政府は1998年にウランバートルで、事業者連合と共同で「保護衣・安全装置」に関する展示会を開催した。政府はこの展示会からいくつかの重要な結論を引き出した。

  11. 労働法案起草に向けて労働安全に関する重要な問題を抽出し、それらを議会の社会政策常設委員会に提案した。

  12. 1992年以来、MLPMが音頭をとって、毎年一回、4月に全国各地で「労働者保護」キャンペーンの推進行事を催してきた。

  13. グローバルなレベルと地域レベルで同種の団体と効率的に協力するとともに、世界の多くの国々とも協力している。例えば、私たちはサンクトペテルブルクに代表事務所を持つ生態学と人間の安全性に関する国際学会と協力している。また、1992年以来、ベルリン(ドイツ)のムグルツェット研修センターと積極的な協力を図ってきており、労働安全専門家や経営者約100人が研修講座に参加してきた。さらに、この運動の専門家がJILFと協力して労働条件改善に関する研修講座を開催し、三回にわたり指導的講師の研修に参加してきた。またこのようなプログラムの実施は大いに注目を浴びている。

  14. 事業者団体連合やアジア太平洋諸国と協力して、「適切な職場(suitable labor place)――高い生産性」プログラムの実施プロセスに参画している。

  15. 1992年から、MLPMの提唱により、毎年12月17日を「労働災害で亡くなった方々の追悼の日」としている。

  16. 各種団体と緊密に協力し、日本、ロシア、韓国、ドイツなど各国との活動上の関係を改善している。また、体験を共有し、書籍・雑誌・情報を交換している。MLPM顧問のSh・ツェンドバヤル氏は生態学と人間活動の保護に関する国際学会の名誉会員となっている。執行委員会委員はアジア太平洋労働安全衛生機構の会議に参加している。

  17. MLPMの運動、労働者の保護、衛生、世界人権宣言を支持する国際団体や世界各国の人々とともに活動を拡大していくことを目指す。