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モンゴルにおける労働安全衛生

資料出所:Mongolian "Labor Protection" Movement (MLPM),
Vice President, Mr. B. Bumbug氏のレポート(一部) 2005年

(仮訳 国際安全衛生センター)



1. 1992年のモンゴル憲法は次のような権利を認めている。
  • 市民の生存権
  • 市民は大気汚染のない健康で安全な場所に住む権利、自然のバランスの破壊から守られる権利を持つ。
  • 人々は、快適な環境と快適な職場の付随する職業を選択する権利を持つ。モンゴル憲法によれば、これらの条項は労働保護が一つの重要な要素であることを示すものである。

2.
1999年にモンゴル議会によって採択された労働基準法第6章では、労働安全衛生に関する各種問題が取り上げられており、政府、中央政府諸機関、監督当局、事業者、労働者の役割および相互の関係について、それぞれの権利と義務を含めて規定されている。したがって、労働者と事業者への労働安全教育の提供という考えは、経済関連省庁のその他の文書にも反映されている。


3.
社会福祉および社会保障関連の各種法律は、労働災害で死傷したり、短期的・長期的に就労不能になったりした労働者の、人間としての権利と利益の速やかな保護に役立っている。


4. モンゴル労働基準法には、労働安全衛生を脅かすような危険で不健康な労働条件から労働者を保護することを目的に、事業者の義務を徹底させるための特別な節が設けられており、法律の枠組みの中で責任を満たしていない事業者は、その事業者に許される範囲内で一定の義務を果たさなければならない。


モンゴル政府の動向は次のとおり。
  • 1997年、労働安全衛生の推進に関する国家プログラム(1998〜2000年)を採択した。
  • 労働安全衛生に関する第2次国家プログラムの8つのゴールに基づく22の措置と31の目標を実施するための費用が国家予算に計上された。
  • 2001年1月15日に初めて実施された10日間の全国労働衛生日は、今年第4回目が実施される。このイベントは、労働衛生に関する人々の意識向上、労働者の健康維持、および職場の労働衛生の維持を目的とした自発的活動を通じた快適な職場環境の創出という3つの点で、重要な役割を果たしている。イベント期間の10日の間に、安全教育、労働安全、周知に関する教育訓練が実施され、その他の情報も提供される。
  • 2002年には労働保護国家プログラムを採択した。
  • 人々の健康に関する国家プログラムは、2002年から実施されている。

2004年1月1日時点での雇用

・労働年齢人口 1,488.9千人
・労働人口 959.8千人
・雇用者数 926.5千人
・人口に占める雇用の割合 62.2%


労働者の分布(単位:千人)

工業(鉱業、製造、加工、発電所、水道)
農業
建設業
商業、社会福祉
教育、健康
その他


モンゴル企業における業務上疾病および傷害の傾向(2000〜2003年)

摘要 合計 割合(%)
2000年 2001年 2002年 2003年
1 業務上の負傷と死亡 345 428 343 366 1482 100
2 死亡   29   88   47   50   214 14.4
3 重大な災害 148 218 103 218   687 46.4
4 軽微な災害 168 122 193   98   581 39.2


災害および業務上傷害の発生場所別分類

発生場所 合計 割合(%)
2000年 2001年 2002年 2003年
1 政府機関 137 162 140 104 543 35.8
2 民間企業 110 124 98 171 503 33.1
3 州予算機関 65 97 97 56 315 20.7
4 内外共同出資産業 33 45 30 50 158 10.4

合計 345 428 365 381 1519 100


災害および業務上傷害の発生部門別分類

部門名 合計
2000年 2001年 2002年 2003年
1 発電所 237 223 113 287 860
2 鉱工業 147 157 148 108 560
3 建設・道路・運輸・通信業 44 46 362 34 160
4 工業 30 39 58 48 175
5 文化、芸術、科学、健康、教育 17 11 5 14 47
6 農業 7 6 8 8 29
7 その他 5 1 1 22 29

合計 487 483 369 521 1860


部門別業務上疾病
発電所
鉱工業
建設・道路・運輸・通信業
工業


労働災害の主な原因
  • 事業者が適切な労働環境を提供していない
  • 労働基準、安全理論、および新技術の安全性の把握が不十分
  • 新しい従業員に対する教育訓練の不足
  • 新技術導入にあたっての安全への配慮不足
  • 労働者の自衛不足
  • 新技術の普及に合わせた労働安全活動の不足
  • 医療サービスと早期段階での疾病の診断が不十分
  • 労働安全情報の保守が不十分で、周知のためのシステムが複雑