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データレコーダーで運転者の行動を抑制
  --交通事故を20%も低減する可能性を実証

資料出所:「Accident Analysis and Prevention」2000年9月号
(訳 国際安全衛生センター)
 他人から見られていることを意識すると、人は行動を変える習性がある。そうした習性を利用して、路上を走っている車の中で、ドライバーに自分の行動についての情報を与えれば、その運転をもっと安全にできるのではないか、という研究が進められている。「車両データレコーダー」と呼ばれる装置でドライバーの行動を記録、その情報を供給することによって、ドライバーに自分の運転状況を自覚させた場合、どういう結果が出るかを研究するものである。

 この研究は「対照グループとの比較実験と干渉」と呼ばれ、上記のような情報のフィードバック・メカニズムが日常の運転条件の中で路上の交通事故件数を減らすことができるかどうかを、実地にテストした。このテストには7つの車両グループが参加した。これらのグループは、輸送事業の種類、使用車両の種類、車両が走る交通条件などがそれぞれに異なっている。これらのグループはそれぞれ、最低1つの対照グループと、交通安全上の特徴について比較検討された。

 実験対象となったのは全部で840台の車両で、うち270台にレコーダーが設置された。実験は車両 3100台/年(vehicle/years)にわたって行われ、1836件の路上事故が発生した。これらの車両グループにデータレコーダーを使用した成果を分析すると、平均して事故発生率が20%低下することが分かったという。

 分析によると、実際の低減率は輸送事業の種類、グループの過去の安全性実績などに左右されるところが大きい。このようなデータレコーダーの利用が、路上事故の抑制に効果的かどうか。それを知るためには、さらに研究を進める必要がある。

 (オランダのSWOV道路安全研究所、ピーター・I・J・ウーターズ、ジョン・M・J・ボス氏の研究による)



- "Reprinted from Journal title, Volume number, Author(s), Title of article, Pages No., Copyright (Year), with permission from Elsevier Science."
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