このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
国際安全衛生センタートップ国別情報(目次) > ニュージーランドのアドベンチャー観光産業の事故
ニュージーランドのアドベンチャー観光産業の事故

T.A.ベントレー、S.J.ページ、L.S.レアード


資料出所:Elsevier Science、Safety Science、Vol.38, No.1, 2001年6月
(訳 国際安全衛生センター)

要約

ニュージーランドのアドベンチャー観光産業についての調査が行われ、観光客の事故や傷害の発生件数、企業の事故調査および報告の実情などが明らかにされた。調査に回答したアドベンチャー観光企業は142社で、その事業は多様なアドベンチャー活動にわたっている。たとえば、カヤク・ボート、急流の筏乗り、山岳レクリエーション、乗馬、トレッキングなどが含まれている。調査対象の企業はアドベンチャー観光事業の中心地と見られている地域に集まっている。企業は事故の届出、調査、報告などについての多くの質問を受けた。中小企業の事故報告状況が最も悪く、またアドベンチャー観光産業の中でも規制を最も受けていない部門の状況が悪かった。観光客の傷害についての報告件数はごく少なく、一部の部門では事故や傷害が報告される率は非常に低いことを示していた。観光客の事故発生件数が最も多かったのは、乗り物や動物からの転落の危険がある部門(サイクル・ツアー、乗馬、4人乗り自転車、急流の筏乗りなど)であった。これらの部門の企業は、観光客の「高所からの墜落・転落」を報告するケースが多い。滑落、つまずき、転倒などはどの部門にも多い。観光客の災害、事故に共通するリスク要因を業者がどう見ているか、そのモデルも提示されている。今後の対策や調査に関する勧告が提出されている。