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「労働安全衛生基準」に関する手引書(改正)

(資料出所:Department of Labor and Employment発行
「PRIMER on the Occupational Safety and Health Standards」)

(仮訳 国際安全衛生センター)


規則1410
建設現場での安全(改正)

あらゆる建設現場および進入路は、その建設作業に携わる労働者全員および建設現場付近の歩行者への危険を防ぐよう、適切な保護措置が取られるようにしなければなりません。


  1. 建設開始前および建設中に実施されるべき活動とは?

  1. 「労働安全衛生基準」の規則1040規定に従い安全衛生委員会を組織すること。
  2. 労働者への危険を生じうる電気ケーブルのスイッチを切ること。または接触を妨げる防壁を作ること。
  3. 機械に安全装置を付けること。
  4. 保護具の支給。
  5. 必要な場合の作業区域の照明。
  6. 歩行者用に安全囲いをつけた通路の建設。
  7. 落下物に対する保護屋根の建設。
  8. 近接建物の崩壊に対する保護物の建設。
  9. 安全な進入手段の確保。
  10. 交通制御。
  11. 必要とされる個人保護具の着用。

  1. 支保工とは何か?

支保工(shoring and timbering)とは、追加的負荷を支え、隣接建物の崩壊を防ぐために掘削区域に作られる仮設の建造物です。


  1. 支保工が要求されるときは?

支保工はあらゆる深さ1メートルを超える掘削に要求されます。


  1. 深さ6.6メートル(20フィート)以上の掘削における支保工の設計者は?

深さ6.6メートル以上の掘削においては、支保工は建築技術者が設計し、適切な機関による認可を受けるものとします。


  1. この規則で意味する適切な機関とは?

適切な機関とは、公共工事・道路省(Department of Public Works and Highways)の建築官(Building Official)を意味します。


  1. 足場とは何か?

足場(scaffolding)とは、建物の建設、改築または解体で用いられる木製または金属製のプラットホームのついた仮設の建物、もしくは他の労働者を支えるため、労働者やその工具および資材の引揚・降下を可能にする保守のための造作(maintenance work)を意味します。


  1. 足場の建設で満たすべき要求とは?

  1. 最低でも予測負荷の4倍を支えられるように設計しなければなりません。
  2. 堅牢な資材を用い、適切に組み立てなければなりません。
  3. 欠陥が見えにくいような塗装や処理をしてはなりません。
  4. 木製/竹製の足場は、地上20メートル以下の高さに限定されます。高さ10メートル以上の場合、建築技術者が設計し、適切な機関による認可を要するものとします。
  5. 高さ20メートルを超える場合、建築用の金属を用いるものとします。建築技術者が設計し、適切な機関の認可を受けなければなりません。
  6. 4カ月間以上経過した足場は、破損した部分を交換し、全体が本来の強度を有するようになるまで使用してはなりません。

  1. 足場の種類は?

  1. 移動足場 -- 移動可能な足場で、転倒を防ぐよう、基部が安定した造りで加重されているもの。
  2. つり足場 -- ウィンチ、プーリ、ブロックまたは他の類似手段により上下動可能なロープまたはチェーンで吊された足場。
  3. 梯子足場 -- プラットフォームが梯子で吊された足場。その使用は、軽作業に限定される。
  4. 張出足場 -- 建物の壁から突き出した張出し材でプラットフォームが支えられている足場であり、その内側は建物内部で固定されている。
  5. うま足場 -- プラットフォームの支持部が梯子の踏みさん、脚立または類似の可動装置になっている足場。
  6. 竹製足場 -- 竹製の足場であり、通常は塗装や建設軽作業に用いられる。

  1. 巻上装置の操作を行う者は?

巻上装置はその装置の運転の研修を受け、能力を有しかつ身体的条件を満たした認定者によってのみが操作できるものとします。


  1. 解体作業の実施方法は?

  1. 危険標識を建物の周辺に掲示し、進入可能な開口部はすべてバリケードで封鎖します。
  2. 解体作業は以下の時点まで開始できません:
  1. 人身の負傷もしくは近接物の損害を防ぐため必要な措置がすべて講じられた時点。
  2. 労働者を危険にさらす可能性の高い既設のガス、電気および他の供給がすべて停止された時点。
  1. ガラスは窓および他の場所から除去されるか、もしくはガラスが割れる可能性のないよう保護します。
  2. 解体される建物または隣接建物の一部の偶発的崩壊を防ぐため、支保工および他の必要措置を講じるものとします。
  3. 解体は、計画的に、一階毎、上から下へ進めます。
  4. 残骸または資材により過負荷となった建物または建築物の一部によって、作業者が危険にさらされることのないようにします。
  5. 切断または放出された鋼材や鉄材の突然のねじれ、飛出し、倒壊による危険を避けるため、充分な予防措置を講じるものとします。
  6. 安全な床張りまたは充分な足場が提供されないかぎり、労働者は高さ6メートル以上の壁、柱または煙突の最上部に立ってはなりません。
  7. トラス、ガーダー(梁)または他の建築物の構成要素は、以下の時点まで分離してはなりません。:
  1. 自重以外の負荷すべてが除かれた時点。
  2. 仮設の支柱がつけられた時点。
  1. 階段、階段レール、廊下および梯子は、最後に解体します。
  2. 解体が中断または休止された場合には、建物の残り部分への進入路を全て柵またはバリケードで覆うものとします。