シンガポール 人材開発省の概要

• シンガポールの労働者に21世紀の国際経済の課題に応える能力を与え、すべてのシンガポール人が潜在能力を発揮するスキルと機会を手に入れ、質の高い労働環境でやりがいのある仕事を得、生活を十分に楽しむための経済的安定を確保できるようにすること。
• シンガポールの長期的な経済競争力を維持するため、人材プールの拡充、外国人短期労働者の入国・滞在・出国管理、進歩的で意欲をかきたてる人材管理手法の促進を通じて、人的資源の供給を支えること。MOMはその業務を通じ、シンガポールが結束した社会を維持できるよう促す必要がある。

• 個人的レベルにおける国際競争力は、技術的なスキルや知識にとどまらず、競争に打ち勝てる賃金や考え方、対人スキルを含む能力の向上、コミュニケーション・スキル、変化やイノベーションの受容能力、即応能力、順応力を含む。誰もが国際性、企業家精神、多様性、弾力性をもつ必要がある。
• 企業レベルにおける国際競争力には、管理能力、特に人材管理（人材活用方針、外国人労働者と国内労働者の混合管理、賃金水準、労使関係）およびシステム管理（労働安全衛生など）が含まれる。
• 国家レベルにおける国際競争力には、経済成長を確実に維持、推進できる人的資本の確保が含まれる。わが国の規則や法律は、外国人労働者の入国に関するものであれ、国内雇用慣行に関するものであれ、経済成長を支えるものでなければならない。また、外国の人材を引きつける上でも、国内人材の国際化能力を育む上でも、わが国の人材管理の中核となるのは競争力である。

• 企業レベルでの卓越した労働環境とは、わが国の人的資本を最大限に雇い入れ、開発するような職場を言う。それは、労働者の権利と福祉を犠牲にするような偏った競争力追求に陥らないようバランスをとる中で、より幅広い労働観を提示する労働環境である。卓越した労働環境とは、安全かつ健康的で協調的なだけでなく、強固な三者間協力の枠組みと関係を体現する職場である。
• 国家レベルにおける卓越した労働環境とは、公正かつ進歩的で価値創造を促すような雇用慣行を備え、様々な労働機会を提供、実現する、柔軟な労働市場を意味する。卓越した労働環境は、個々の労働者の経済的安定を守るメカニズムを備えている。
  
  

• 変化する経済環境の要求に効果的に応えるため、生涯学習の願いを具体化するとともに、競争力と雇用可能性を生涯保つためのスキル、考え方、能力を国民が採用、学習、再学習する必要性を具体化する。
• 自分の望む未来を実現する力を人々に与えることを重視する。そこには、成人の訓練開発を通じた個人の能力開発と、チーム、組織、国家全体での集団的な能力開発の両方が含まれる。