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シンガポールの職業性疾病に関する調査(1999年)
上肢の反復的負荷障害(RSD)

資料出所:人材開発省発行「Annual Report 1999 Department of Industrial Health」
(訳 国際安全衛生センター)

上肢の反復的負荷障害(RSD)

1999年には、6人の労働者が上肢の反復的負荷障害に罹っていることが確認された。

コンピュータ上での長時間作業の結果、制作デザイナー1人とプログラマー1人――ともにソフトウェア会社に勤務する女性――の首と右肩の筋肉に炎症が発生した。原因はキーボードの右端に置かれたマウスを過度に使用した(肩の筋肉の外転を必要とする)ことと、残業や勤務予定がぎっしりと詰まっていることなどであった。この企業は助言を受けるとともに、VDT作業に関する労働衛生局のガイドラインを受け取った。

コンピュータ・システム会社の男性の技術サポート担当者(1人)が、一定期間に集中的にコンピュータ・ネットワーク・ケーブルの敷設作業を行なった後、左の手首に業務関連性ド・ケルバン腱鞘炎が発生した。この作業には、ケーブルを巻きつけたり解いたりする作業、ケーブルの保持、運搬、切断、またケーブルを押したり引いたりする作業が伴った。

重いギアの切り替えを反復して行なったことから、大型トラックの運転手(1人)の左手首に、業務関連性尺骨埋伏症候群が発生した。その後、彼は会社を辞めた。

溶接作業の前に錆びた表面を研磨し、リベットを打つ際に手操作の道具を使用して手首を繰り返し動かしたために、工事会社の溶接工(1人)に軽度の手根管症候群が発生した。彼はしびれ、無力感、痛みを訴えた。彼はこの作業から一般的な清掃作業に配置換えとなった。この会社は溶接作業に防振手袋を使用するように助言を受けた。

ハードディスク製造会社の倉庫管理人(1人)は、重たい段ボール箱を持ち上げて移動する作業を行なった後、左手がテニス肘になった。配置換えの後、彼女の肘の痛みと腫れは良くなった。事業者はこの作業の自動化を検討している。その間、作業員たちは段ボール箱の正しい持ち上げ方と置き方を教えられた。