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安全統計の概要:建設業
建設業における死亡災害

シンガポールの建設業における死亡災害について、シンガポール人材開発省が取りまとめた災害データと災害防止対策をご紹介いたします

資料出所:シンガポール人材開発省発行「OSH NEWS 1999年6月号」
(訳 国際安全衛生センター)。


1998年に主任工場監督官に報告された災害は4,247件で、うち建設業で発生した事故が36%を占めている。 建設業で発生した事故は1995年以降、上昇を続けているが、1998年だけはやや減少している。 1998年の災害度数率は100万労働人時当り2.7件で、前年より1.0%低下した。 災害強度率も1997年の100万労働人時当り957損失人日から846人日に低下している。

グラフ1は産業別死亡災害の内訳である。 建設業の死亡災害の傾向は全国レベルと同じように低下しているが、他の産業に比べるとなお高い水準にある。




建設業の死亡災害の内訳

1998年の死亡災害の51%は労働者の高所からの転落事故であり、また21%は落下物との衝突である。 また労働者が感電して死亡した事故が4件起きている。死亡災害の原因別内訳は次の表に示すとおりである。

表1:
事故の種類 1998年の死亡災害件数
高所からの転落 34
落下物との衝突 14
物品との衝突 5
はさまれ/巻き込まれ 4
感電 4
危険物質/放射線被爆 3
その他 3
合計  67
                 

労働者の高所からの転落や落下物との衝突を防ぐ基本的な安全措置が取られていたら、 建設業の死亡災害件数は75%も低減することができたはずである。



建設業における死亡災害低減措置

人材開発省では建設業における死亡災害の増加傾向に対処するため、訓練、災害防止活動、 規則遵守プログラムなどを推進することにしている。

最近実施された管理者研修課程の一つであるプロジェクト管理者の安全研修は、 安全の基本的事項と安全マネジメント・システムの確立と実施を管理スタッフに訓練するものである。

人材開発省はさらに、職場における死亡災害の発生を抑止するため、自主的な努力を推進するとともに、 積極的なアプローチを行うためのさまざまなオプションを検討している。 人材開発省はまた職場における危険な条件を一掃するため、規則の執行活動を強化することにしている。

事故の防止は関係者すべての責任であり、すべての作業が安全意識をもって実行されるようにするため、 誰もが重要な役割を担っているのである。