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建設業の労災責任 関連事業者にまで広げる

(資料出所:自立晩報第9版,2月19日)

(海外情報調査員報告 林熾昌)



  建設業の労働災害を減少させるため、労工委員会は、労働安全衛生法を改定し、建築構造物の販売会社、工事施工業者等を当該法律の適用事業範囲に組み入れ、一旦工事現場で死亡災害を発生した場合、 大手建設会社と同じく、その責任者は当該法律により、3年以下の懲役に処罰されることとなりそうだ。 

  建設業の労災死亡率は国内での労働災害の中で抜きん出ている。労工委員会は昨年に『建設業労働災害防止対策』を打ち出し、死亡災害は一昨年の同期間と比べ、19人の減少が見られるが、建設業の労災死亡人数は相変わらず全産業の半数以上を占めている。特に『墜落災害』が多い。

  更に建設業労災を減少するため、労工委員会は『建設業労災防止対策中期計画』を作り、当該計画の内に、法の改正により、建設構造物販売会社、工事施工業者等を労働安全衛生法の適用事業範囲に組み込むと共に、『機動的巡回』方式、即ち、巡回車を使って市街地の工事現場を巡る方式で、巡回中に不適切な吊り上げ・玉掛け作業、足場、支柱等の安全に不備が発見された場合、巡回車をストップして指導する。 尚市街地以外の地域については、3ヶ月毎に一回巡る監視方式を取ると語っている。

  又、建設構造物販売会社、工事施工業者に同法を適用しようとする理由は、現在同法は単に建設事業者にのみ適用し、事故が発生した場合、当該事業者が責任を負い、その他責任追求しないとなっているのを、関係する業者全部に法を適用すれば、全員が法的に災害責任を追及されるので、もっと安全に関心を持つはずだと語っている。

  労働安全衛生法に『事業者は、機械、器具その他の設備による危険を防止するため、必要な安全衛生措置を講じなければならない。』との定めを設けており、これに違反して死亡災害を起こした場合、当該事業者は『3年以下の懲役、拘役(1−120日の懲役に相当:日本に見れない罰則)又は15万元以下の罰金に処す、若しくは併せて処す。』の処分をとることになる。