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運転手の過労死の裁判で、労働災害であると判決

(資料出所:中国時報第6版,3月22日)

(海外情報調査員報告 林熾昌)



  トラックのドライバー黄氏は、一年前のある日、残業で引き続き26時間作業し、その結果、過労が原因で、心肺機能衰弱し憔悴死。労働保険局は労働災害と認めず、労働災害補償給付を拒絶した。但し、台北地方裁判所の労働法廷では異論があり、判事は、黄氏の死亡は、長時間作業と相当因果関係があるとして、労働災害と認め、K企業に対し、遺族に245万元の労災補償金を支払らなければならないとの判決を下した。

  この裁判は数少ない労働者の『過労死』の労災補償請求案件で、過労死は一体労災であろうか、この判決は初めての例と言えよう。 この件は労働者の権益に関わる重要性を持ち、労災と認定されない場合、遺族は単に平均賃金3ケ月分の葬祭費と、又保険加入年数により平均賃金の10−30ケ月分の遺族手当しか支給されない。逆に労災と認められた場合は、使用者に対し平均賃金5ケ月分の葬祭費と平均賃金40ケ月分の遺族手当を請求することが出来る。

  2000年3月28日午前7時、トラックの運転手黄氏が五股駐車場を出発、台北県瑞芳鎮の台湾電力KK深澳発電所で変圧器を搭載した後、その夜、又桃園龍潭の陸軍のある軍営に行き、装甲車を乗せ、陸軍工兵整備発展センターに向かった。翌日の午前7時40分に到着、すぐ荷下ろし作業に着手した。2時間後,黄氏は突然倒れ、すぐ病院に運ばれたが、緊急医療処置の後死亡した。