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国際安全衛生センタートップ国別情報(目次) > タイにおける労働安全衛生の問題点
タイにおける労働安全衛生の問題点は次の通りです。なお筆者は労働安全衛生の担当官です。

資料出所:国際安全衛生センター研修生より提供された資料
(訳 国際安全衛生センター)

  1. タイでもっとも問題なのは建設である。製造業特に金属加工・機械・食品・飲料・たばこ・繊維・服飾、林業・木材加工業、輸送、貯蔵、通信、卸小売、なども問題が多い。
  2. タイでは小規模企業が多いが、一般に小企業では作業環境が悪くかつ危険である。また作業がきつく基本的な機器もないことがある。災害・疾病が多く労働時間が長く福祉は少ない。
  3. 農業部門では安全衛生が進展していない。機械化、化学物質の導入等で新しい危険が増えるであろう。
  4. 機械化により騒音、振動、放射線、ダスト等の問題も出てくるだろう。
  5. 多くの労働者が塩ビモノマー、アスベストなどの有害物質にさらされている。この中には先進国からの技術移転で生じたものもある。
  6. 小規模事業所や農業部門の労働者に対しては健康サービスが十分でない。
  7. 個人保護具が不十分な反面、南国で高温多湿のためあっても使いたがらない。
  8. 基本的な労働安全衛生対策を無視することが中小企業の事業者に多い。
  9. 管理者、技術者、作業者の多くが機械を安全に運転、メンテナンス、修理する訓練を受けていない。
  10. 多くの作業者が職場の危険やそれから身を守ることに対し無知である。文盲や工業的作業に慣れていないことが問題を複雑にしている。作業者は貧しいため危険な仕事や悪い作業環境でも受け入れざるを得ない。

これらの問題に対し労働保護福祉局や労働安全衛生促進協会は次のような対策を行っています。

  1. 安全衛生訓練の強化
  2. 安全衛生意識向上キャンペーン
  3. 安全衛生情報サービス
  4. 地方安全衛生センター
  5. 医師への教育プログラム
  6. 中小企業の職場改善
  7. 職場安全衛生委員会の支援
  8. OHSMS