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事故や健康障害による損失は年間300億ポンド、とHSEが発表
Accidents and ill health may cost up to £30 billion a year, says HSE

資料出所:英国安全評議会(British Safety Council)発行
「SAFETY MANAGEMENT」2004年11月号 p.2

(仮訳 国際安全衛生センター)



 職場での事故や健康障害による損失は年間300億ポンドにのぼる、とのショッキングな数字をイギリス安全衛生庁(Health and Safety Executive: HSE)は発表した。
 2004年10月に発表された最新の統計によると、2001/02年度、英国社会は健康障害や安全性の不備によって318億ポンドもの損失を受けたとしている。

病欠中の賃金と補償金

 この報告書によると、職場での傷害や健康障害で欠勤した労働者の賃金や補償金、保険金、管理費、機器費用として事業者が支払った金額は、39億ポンドから78億ポンドに上るという。
 一方、労働者個人にかかる総費用はこれをさらに上回り、年間で101億ポンドから147億ポンドにも上っている。この報告書では、逸失賃金などの経済的要素だけでなく、慰謝料や、医療費、さらにはHSEへの資金拠出などの政府支出額についても算出している。
 報告書はまた、産業部門別の事業者負担額の分析も行っている。分析の結果は以下のとおり。
  • 事故や健康障害に伴う費用が最も高いのは建設部門で、事業者の支払額は18億9000ポンド。
  • 次に費用負担が多いのは製造部門の事業者で、支払額は6億7,000万ポンドから15億2,000万ポンド。
  • 販売および修理部門の事業者負担額は、9億7,000万ポンド。医療部門の事業者の負担額は3億9,000万ポンドから7億9,000万ポンド。
 報告書はまた、業務上の災害や健康障害のために事業者が支払っている金額も地域別に明らかにしている。それによると、負担額が最も多いのは、ロンドンおよび南東地方の事業者で、その額は25億7,000万ポンド。一方、ヨーク、ハンバーサイド、北西地方は、それぞれ年間8億ポンド強となっている。

中間結果

 HSEは、この報告書が発表した数値はあくまでも中間結果であり、大まかな目安でしかない、としている。2005年に完全なデータが揃い次第、この数字は更新されることになる。

  • 「<職場での事故および業務上の健康障害による英国の負担額(Costs to Britain of Workplace Accidents and Work - Related Ill Health)>の中間報告」は、www.hse.gov.uk/statistics/dayslost.htmで閲覧が可能。



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BUSINESS BENEFITS OF SAFETY WEBPAGE

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