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建設(設計・管理)規則の修正に建設団体が要望

資料出所 : Safety Management
September 2005
(仮訳 国際安全衛生センター)



 英国建設の2大組織である建設業教会(Construction Confedration , CC)とプロジェクト安全協会(Association for Project Safety , APS)の支持を受け、1994年建設(設計・管理)規則(CDM規則1994:The Construction (Design and Management) Regulations)の修正が提案されている。

 2005年3月に公示された草案では、CDM規則と1996年建設(安全衛生及び福祉)規則(Construction (Health, Safety and Welfare) Regulations 1996)のいくつかの条項の統合が提案されている。同草案に対する4か月にわたる公開協議は8月末に終了した。

 建設業協会最高責任者スティーヴン・ラトクリフは、「修正規制が現行規則を大幅に改善するものとなるよう、われわれは十分に協議した。とりわけ、顧客に求められる義務の拡大については、遅きに失した感が否めない」と語っている。

 しかしCCとAPS両組織による合同対応から、多くの問題も明らかになった。特に両組織が強調しているのは、修正規制に付属文書として公認実施準則(Approved Code of Practice , ACoP)を添付することである。HSEの協議では、修正規則の指針が現行どおり一般指針に付属する公認実施準則の形式とするのが良いか、あるいは、一般指針という形式のみとするのが良いか、意見を求めている。

 しかし、CCとAPSは、公認実施準則の内容は、建設業界では”十分に理解されている”ものであって、建設業者が規則の遵守するために何を必要とするのかを示すきわめて重要な指標なると回答している。

 また両組織は、企業、個人の特定の仕事に対する機能の保証をHSEが積極的に関与することもHSEに要請している。HSEは協議の中で、職能保証の根拠として、個人の作業員に対する建設スキル証明制度(the Construction Skills Certification Scheme , CSCS)による認定などの既存の業界標準を活用するという”仮の”提案をしている。

 両組織は、HSEが建設業代表者と連絡を取り合い、職能評価のための幅広い基準に合意すべきであると補足した上で、安全衛生の業界標準を推進するためには、HSEによる”広範なアプローチ”が必要となるとしている。

 またCCとAPSは、足場組みなどの、人命にかかわるような仕事に対する個人職能を確立するための”規定”の方法として、建築スキル証明制度(CSCS)を活用することも要請している。

 これに加えてCCとAPSは、今回の修正草案では、建設現場で保管すべき安全衛生ファイル(a health and safety file)の要件にかかわる諸問題に対処できないと主張している。両組織は、「ファイルという用語を正確に定義しないため、建設設計者は請負業者が関連書類をファイルの中に放り込むままにさせていることが少なくない」といている。両組織は、このような書類が構造化文書(structured document)となって、建設現場の安全衛生管理の責任者を積極的に支援することを目的としていると強調し、「ファイル」という用語を「安全衛生マニュアル」に言い換えるようにと主張している。