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アメリカ 労働災害統計
2000年にNSCから発表された労働衛生統計

資料出所:NSC発行「INJURY FACTS」2000 Edition
(訳 国際安全衛生センター)


反復性外傷による障害は、1998年の新患で、
253,000例を超える最も一般的な疾病であった

 労働統計局(BLS)によれば、1998年には約391,900の職業性疾病が認定又は診断された。反復性外傷による障害が1998年の新患で253,300と最も多い疾病であり、皮膚病と皮膚障害が53,000を超えてこれに次ぎ、そして有毒物質による呼吸器の病気が17,500であった。

全労働者に対する職業性疾病の全発生率は、常勤労働者1万人あたり44.2人であった。1998年は、主要産業部門では製造業が常勤労働者1万人あたり125.5人で最も高かった。製造業の労働者は、反復性外傷による障害、有毒物質による呼吸器の病気、物理的因子による障害、及び中毒においても主要産業の中で最も高い発生率を占めた。 農業は、農業労働者の皮膚病や皮膚障害が全産業中最も高い発生率を示したが、疾病全体では、30.9人と2番目の高い発生率だった。鉱業は、肺の粉じんによる疾病が全産業で最も高い発生率だった。 

下の表は、1998年に労働統計局(BLS)が調査した職業性疾病の実数と、常勤労働者1万人あたりの発生率を示している。常勤労働者100人あたりに転換するためには、(その率は労働統計局(BLS)が公表している他の率と比較し得る。)表の率を100で割る。BLSは、1年間に業務関連と認定又は診断した疾病のみの記録を調査している。認められたケースのみがカウントされているので、その数字は職業性疾病の実際の数字よりも少ない。

アメリカ合衆国 産業別、疾病別の職業性疾病の数及び発生率(1998年)

職業性疾病 民間部門
(全産業)a
農業a,b, 鉱業b 建設業 製造業 輸送・
公益事業
商業b 金融業b サービス業
疾病数(x1000)
全疾病 391.9 4.3 1.3 7.7 236.3 16.6 38.8 15.2 71.7
反復性外傷による障害 253.3 0.6 0.8 2.0 180.9 9.2 20.9 12.0 27.0
皮膚病、
皮膚障害
53.1 2.4 0.1 1.8 24.4 1.7 4.3 0.8 17.7
有毒物質による呼吸器の病気 17.5 0.5 (c) 0.8 6.6 1.2 2.6 0.6 5.1
物理的因子による障害 16.6 0.1 (c) 1.2 9.0 1.2 2.2 0.1 2.7
中毒 4.0 0.1 (c) 0.3 2.2 0.3 0.3 (c) 0.8
肺の粉じんによる疾病 2.1 (c) 0.3 0.2 0.8 0.3 0.2 (c) 0.4
その他すべての職業性疾病 45.4 0.5 0.1 1.5 12.5 2.7 8.4 2.2 18.0
常勤労働者1万人当りの発生率
全疾病 44.2 30.9 20.8 14.2 125.5 26.7 167 23.1 27.2
反復性外傷による障害 28.5 4.4 12.2 3.6 96.0 14.8 9.0 18.3 10.2
皮膚病、
皮膚障害
6.0 17.2 0.9 3.3 12.9 2.8 1.9 1.1 6.7
有毒物質による呼吸器の病気 2.0 3.7 0.8 1.4 3.5 2.0 1.1 1.0 1.9
物理的因子による障害 1.9 1.0 0.7 2.2 4.8 2.0 0.9 0.2 1.0
中毒 0.5 0.5 0.1 0.5 1.2 0.4 0.1 0.1 0.3
肺の粉じんによる疾病 0.2 0.2 4.3 0.3 0.4 0.4 0.1 0.1 0.2
その他すべての職業性疾病 5.1 3.8 1.9 2.8 6.6 4.3 3.6 2.4 6.8

出典:アメリカ労働省労働統計局
a 民間部門は政府機関を除く全産業、但し労働者10人以下の農場は除く
b 農業には林業、漁業が含まれる。鉱業には、採石、石油、ガス採掘が含まれる。商業には卸売・小売業が含まれる。金融業には金融、保険、不動産が含まれる。
c 50未満のケース


アメリカ合衆国における民間産業の、
死亡に至らない職業性疾病の発生率(1992〜1998年)