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労働者の職場外における傷害に関する調査結果
NSC(全米安全評議会)ニュース

資料出所:NSCホームページ http://www.nsc.org/news/nr100203.htm
(仮訳 国際安全衛生センター)



 調査によると、事業者の約60%は業務以外の傷害に高いコストがかかっていることを認識している。しかし、この多くは、これらの傷害やコストに対しての調査は行なっていない。企業の利益及び競争力にかかわる問題が、見過ごされている。

 調査の概要はこちら

 イリノイ州アイタスカ − 企業における安全衛生専門家の約60%は、業務以外で発生している傷害のコストは、業務関連傷害のコストと同等か、あるいはそれよりずっと大きくなっていると確信している。しかし、企業の約45%は、業務以外の傷害に関しては、どのような安全プログラムをも持っていないとのことである。全米安全評議会(National Safety Council : NSC)がウェブを活用しての調査で業務以外の安全事項について意見を求めた結果、この二つのことがわかった。

 アラン・マクミラン氏(NSC会長)は、「事業者は、職場でも職場以外でも、従業員の安全衛生についての法的、経済的な関心を有している。事業者は、従業員とその家族が被った傷害によって生ずる治療、保険そして生産性の損失に関連した多くのコストを負担している。経営指導者層は、企業の利益と企業間の競争は、これらのコストによって影響を受けているということを認識すべきである。」と述べた。

 更に次のように付け加えた。「国全体でみると、業務に起因する死傷災害を減少する点で、大きな前進を遂げた。しかし、昨年全米で発生した2,040万人の労働不能災害の80%以上及び99,500人の不慮の災害による死亡の95%以上が、業務に関係していないものであった。それ故、職場の安全に対するのと同様の関心及び力を注いで、家庭、地域社会および自動車での傷害防止を行なわなければならない。この調査によると、大多数の事業者は、職場以外での傷害事案を認識しているようであるが、その殆どは、この事案を解決しようとする行動を起こしていない。

 1,300人の回答者の40%以上は、職場で発生した傷害のコストよりも仕事以外での傷害のコストの方が多いと答えている。更に、20%の回答者は、コストは同等であると認識しているとのことであった。しかし、調査で分かった事は、回答企業の25%しか業務以外の傷害について記録を取っていないということである。さらに、記録を取っている企業の3分の1しか、従業員の扶養家族の傷害を記録していない。

 回答者の半数以上が、企業は仕事を離れたところでの安全に対するいくつかの推進対策を提供していると語っている。しかし、45%の企業が職場関連以外については何にも情報を提供していないとのことであった。仕事を離れた場合の安全情報及び安全衛生教育に関心があると回答した者が興味を示している分野には、交通災害、墜落・転落、火傷、過労、スポーツ傷害等がある。

 更に回答者の40%は、企業が何らかの形の健康教育を実施していると報告している。このプログラムの中には、禁煙(回答者の36%)、フィットネス・トレーニング(同35%)、ストレス管理(同34%)、そして体重管理(同27%)が含まれていた。

 NSCの追加情報については、www.nsc.org を参照して頂きたい。

 NSCは生命を守り、健康を推進するために貢献している非営利、非政府、国際公共サービス機関である。NSCの会員は、45,000の企業、労働組合、学校、公共機関、各種民間組織及び個人である。NSCは1913年に創設され、1953年に米国議会に承認された。NSCの第一の目的は、職場、交通、そして家庭・コミュニティーでの傷害の防止である。