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OSHA、寒冷環境での労働者保護対策のこつを示す

(資料出所:OSHA Trade News Release December 9, 2004)
(仮訳:国際安全衛生センター)

原文はこちら


 ワシントン・・・寒い季節の訪れと共にOSHAでは、事業者及び労働者が、OSHAの寒冷ストレス・カードにリストアップされている必要な予防対策を行うことを忘れないように注意を喚起している。この予防対策は、寒さに関連した健康障害を予防し、且つ、対処するものである。

 建設業、漁業、海運業及び農業の各部門で働く労働者は、寒さ予防対策を実施しなければならない人々である。冷凍温度あるいは寒冷温度に長い間ばく露されると、塹壕足炎(凍傷に似た足部疾患)、凍傷及び低体温症というような重大な健康障害の原因となるおそれがある。冷水浸漬を初めとする極端な症例の場合、ばく露することにより死に到る場合がある。危険な徴候としては、抑えられない震え、ろれつの回らないスピーチ、ぎこちない動き、疲労及び狼狽した行動がある。これらの徴候が見られたなら、緊急救助を求めること。OSHAの寒冷ストレス・カードには、多くの疾病及び傷害と戦い、防止するための参考ガイド及び勧告が掲載されている。英語、西語で利用できるようになっており、ラミネートされた折り畳み式のカードとなっていて、事業者、労働者及び一般大衆向けに無料である。

 対策には次のようなものがある:

安全衛生対策
  • 危険と思われる環境条件及び作業条件を認識すること。
  • 寒さによる疾病・傷害の徴候・症状および労働者救助のために何をするかについて学ぶこと。
  • 寒さによる疾病及び傷害について労働者に教育訓練を行うこと。
  • 寒く湿った及び風の強い状況に対し、状況の変化に対応可能な重ね着を初めとした適切な衣服を着用するようにすること。
  • 極端な状況下の労働者に対し、体を温めるための暖かい乾燥室で短時間の休憩がしばしば取れるようにすること。
  • 1日のうちで最も暖かい時間帯に作業するように計画を組むこと。
  • 筋肉を暖めるためにエネルギーが必要となるので、消耗あるいは疲労を避けるようにすること。
  • 2人1組で作業すること・・・1人の労働者が危険な徴候を認識できるようにペアで作業すること。
  • 暖かい、甘味のある飲料水を飲むこと(砂糖水、スポーツドリンク)。カフェイン(コーヒー、茶、ソーダあるいはココア)あるいはアルコールの入った飲み物は避けること。
  • 熱いパスタ料理のような、暖かく、高カロリーな食事を取ること。
  • 次の事を忘れないこと・・・労働者がある種の薬を飲んでいる場合、体の状態が良くない場合、あるいは糖尿病、高血圧、あるいは心臓血管疾患のような病気にかかっているような場合には、リスクが高くなるということを忘れないこと。

 OSHAの寒冷ストレス・カードの英語、西語の無料コピーは、OSHAウェブサイト
http://www.osha.gov/index.html あるいは、電話1(800)321−OSHAで入手可能。

 事業者は従業員に対し、安全で健康的な職場を提供する義務がある。OSHAの役割は、規準を設定し、監督指導することにより、全米の労働者の安全と健康を確保することであり、;訓練、アウトリーチ及び教育の提供;パートナーシップの樹立;安全且つ健康的な職場改善を継続すること。